俺の彼女は高校教師

 大会に専念している美和がメールを寄越すわけも無くぼんやりと机に座っている俺なんです。 なんか空しいなあ。
と思っていたら夢雨ちゃんがメールを飛ばしてきました。

 『弘明君 今は何をしてますか?』

 「何をしてますか?って聞かれてもなあ、、、。」 外の景色を見ながらどう返信するか考えてみる。

 『宿題に追われて机の上で奮闘してます。』

 「とてもそんな風には見えないなあ。 暇を持て余して何をしていいのか分からないんじゃないの?』

 (ギク、、、。 何でそこまで分かるんだよ?) 思わず冷や汗を掻きながら返信する。

 『そんな風に見えるかな?』

 『だって美和姉ちゃんも居ないし他に絡んでくるような人も居ないんでしょう?』

 (こいつ、なおさら怖いわ。 何でそこまで分かるんだよ?) 苦笑しながら返信に苦労している俺。

 『何でそこまで分かるの?』

 『やっぱりか。 私の感って鋭いのよ。』

 『鋭すぎでしょう。 どうでもいいけど、、、。』

 『どうでもいいことは無いと思うなあ。 大事なことだよ。』

 「そうとは思うけど何でそこまで鋭くなったの?』

 「何でって聞かれても困るわ。 生まれ持ってのことだから。』

 (それもそうだよなあ。 アホか 俺は。) 何となく夢雨にやり込められている自分が歯がゆく思えてくる。
食堂に下りてコーヒーを飲んでいるとまたまた玄関のチャイムが鳴った。 「今度は誰だろう?」
 「お宅で不要になった物は有りませんか?」 「みんな現役です。」
どっかの廃品回収のじいさんらしい。 悪いなとは思ったけど事実だからしょうがない。
じいさんを追い返してまたまたコーヒーを飲みながら考えている。 (美和は何をしてるんだろうなあ?」
 思い出すのは青い透け透けの服を着て出てきた時のこと。 思わず固まっちまったけど大人になると何とも思わなくなるのかなあ?
今だってインスタとかxとかにお風呂ショットやら下着ショットやら平気で上げている人たちが居るけど何とも思わないのかなあ?
それにさあ女がニュースになる時って「お尻が素敵。」とか「太腿が逞しい。」とかそんなんばかりだろう。 もっとましなニュースは無いのかなあ?
 そういえばさあ、昔どっかの街で女が素っ裸で疾走したってニュースが有ったよね? でも男が素っ裸で疾走したってニュースは聞かない。
何でなんだろう? 変な話だよなあ。

 カラスが飛んで行く。 なぜ泣くの? 泣きたいからよ。
床に寝転がってみる。 なぜか考えるのは美和のことばかり。
 抱っこしてキスまでしちゃったんだもんなあ。 会えないのはさすがに寂しいよ。
そしてそのまま夜になるんでございます。 姉ちゃんはまたまたツアーで飛んで行ったらしい。
 母ちゃんが帰ってきた。 「おやおや、今日は誰も来なかったんだねえ?」
「来たよ。」 「え? 誰が?」
「どっかの廃品回収のじいさん。」 「ああ、ぼったくりの詐欺屋さんね。」
「そうなの?」 「あんなのをうっかり入れちゃうと全部持って行かれるからねえ。」
「そんなのが居るの?」 「近所の谷山さんもやられたって言ってたわよ。」
「ふーん、そうなんだ。」 「香澄ちゃんとはうまくやってるのかい?」
「上手いも下手も無いよ。 長年引っ付いてるんだから。」 「それはそうだろうけど、、、。」
「結婚しろって?」 「そうとまでは言わないけどさ、せっかくなんだし、、、。」
 母ちゃんはささっと着替えを済ませてから台所に立った。 俺はまた部屋に戻って寝転がることにしたんだが、、、。
「弘明君 本気で奪ってもいいのよ。 あなたのことが心底好きなの。 ずっとこのまま一緒に居たいのよ。」 萌えている美和が俺に迫ってくる。
もうちょっとでゴールインって時に母ちゃんの声が聞こえた。 「ご飯だぞーーーーーー。」
(んもう、一番いい所だったのに、、、。) 半分寝ぼけた顔で食堂へ。 「あんたまた夢見てたな?」
「分かる?」 「その顔は「いい所で起こしやがって。」って言いたそうだもん。」 「お見通しか。」
 「美和ちゃんの夢を見てたんだろう?」 「ん、、、、、まあ。」
「あんまり熱を上げるんじゃないよ。 今は勉強してもらわないと困るんだからね。」 「分かってるよ。」
とはいうけど心の中では(邪魔されたくないんだよな。 もっと二人きりにさせてくれ。)って祈ってる。 それから一週間後、、、。
 やっと大会から美和が帰ってきた。 いい所まで行ったんだけどもう少しで届かなかったんだって。
「留守にしてごめんね。 寂しかったでしょう?」 「そりゃあ寂しいなんてもんじゃなかったよ。」
「正直ねえ。」 「嘘は嫌いだから。」
「そっか。 次の日曜日にさあ、また部屋に来ない?」 「でも夢雨ちゃんが、、、。」
「大丈夫。 今ね、バイトが忙しくて走り回ってるんだって言うから。」
「分かった。 二十日の日曜日だね?」 「うん。 いつも通りに10時に待合せましょう。」
 そんなわけで久しぶりに美和の声を聴いた俺は部屋の中を飛び回っているのでありまーす。
誰も居ない昼間で良かったわ。 ヤッホー‼
 なんかさあ首輪を解かれた柴犬みたい。 じっとしていられないんだ。
日曜日までカレンダーを何回も確認したりこれまでの美和のメールを読み返したり、、、。
 ゴン! 歩き回っていたらドアで頭を打ってしまった。
「えーーーい、ちきしょう‼ 腹立つなあ。」 なんてドアに喧嘩を売ってみる。
 俺って何をしてんだろう? ちょっと誘われただけでこうも盛り上がるなんて、、、。
何となくアホらしさが込み上げてきた。 こんな所を香澄に見せなくて良かったわ。
 そんでもってまたまた一階に下りる。 コーヒーを飲みながらカップラーメンを食べる。
「美和が居たら楽しいんだろうなあ?」 「何だって? 高橋先生がどうしたって?」
ボソッと言ったことを香澄がちゃっかり聞いていた。 「お前、何処から?」
「チャイム押しても反応が無いから裏に回ったのよ。」 「空き巣か。 お前は?」
「嫌だなあ。 泥棒みたいに言わないでよ。」 「入れとは言ってないんだから不法侵入だぞ。」
「いいんだもん。 旦那様の家だから。」 「おいおい、お前大丈夫か?」
「私より宏明君のほうが心配だわ。」 「俺は何ともねえよ。」
「うっそだあ。 高橋先生といいことしたいんでしょう? エッチーーーー。」 「騒ぐなよ 馬鹿。」
「うわーーー、また始まった。」 「だからいい加減にしろっての。」
そう言って香澄の頭をポンポンと叩いてみる。 「いたーーーーーい。 殺されるーーーーー。」
「大げさだなあ。 やめろって。」 そう言って香澄を捕まえたまではいいんだけど何かの拍子で香澄の上に重なってしまった。
 「もっと虐めてもいいよ。」 耳元で香澄が擽ってくる。
「やめろってば。 こんなこと、、、。」 「いいじゃない。 私も好きなんだから。」
 その顔をまじまじと見詰めてみる。 耐えきれなくなった香澄は思い切り吹き出した。
「はい、お前の負け。」 「意地悪ーーーーー‼」
 「だいたいなあ、他人の家に黙って上がり込んで無事に帰れると思ってんのか?」 「弘明君だから大丈夫だもん。」
「へえ、じゃあ、、、。」 仰向けになっている香澄の胸を触ってみる。
「やったあ‼ やっと触ってくれたあ!」 「変態。」
「何よ? いいじゃない。」 「お前、ほんとに頭は大丈夫か?」
「弘明君じゃないから大丈夫よ。」 「どういう意味なんだよ?」
「そういう意味よ。」 「そういう意味よってどういう意味よ?」
「そういう意味よってどういう意味よってそういう意味よ。」 「そういう意味よってどういう意味よってそういう意味よってどういう意味よ?」
「そういう意味よってどういう意味よってそういう意味よってどういう意味よってそういう意味うよ。」 「そういう意味よってどういう意味よってそういう意味よってどういう意味よってそういう意味よってどういう意味?」
「はーーーーーー、分かんなくなっちゃった。 頭いたーーーい。」 「はい、またまたお前の負け。」
「分かったわよ。 負けを認めてやるわ。」 「スカート捲れてるけど、、、。」
「いやだあ。 エッチーーーーーー。」 「見てもらいたかったんだろう?」
「私ねえ、そんな趣味は無いから。」 「そうかなあ? お前みたいな女ってAVによく出てるよなあ。」
「うっそだあ。 そんなの知らないわ。 変態。」 「ほう、ほんとに知らないかなあ?」
「知らない知らない知らない。 見たことも無いし。」 「じゃあ触ったことは有るのか?」
「有るかもなあ、、、、って何てこと言わせるのよ? 意地悪。」 「お前ってほんとに引っ掛かりやすい女だなあ。」
「弘明君の彼女ですから。」 「そこは自慢する所とちゃうやろ。」
俺は苦笑しながら二階の部屋へ上がった。