高校生活も3年目。 やっと部活も動き出したらしい。
そういえば美和はバレー部の顧問になってたよな。 ほんとにやってられるのかなあ?
放課後の体育館を覗いてみる。 バレー部員が準備体操をしている。 その奥のほうを見ると監督と一緒に体操している美和が居た。
(なかなかやるじゃん。) 「弘明君 帰っちゃうわよ。」
後ろのほうで香澄の声が聞こえた。 「やべえやべえ。 気付かれたら終わりだぞ。」
昇降口へバタバタと走って行く。 いつものように香澄と律子が笑っていた。
「何を見てたのかなあ?」 「部活の様子だけど、、、。」
「あれだけバレー部を馬鹿にしてたのに?」 「してねえけどなあ。」
「うっそ? 豚だの何だのって言ってたじゃない。」 「ああ、あれは葛本みゆきだからだよ。」
「ひどーーーーーーい。 今や女子バレー界ではヒロインになりつつあるあの葛本さんを馬鹿にしてたなんて信じられナーーーーーい。」 「うるせえなあ。 ほらほら、そこ側溝だぜ。」
「キャーーーーー!」 嵌り込みかけた香澄を助けてやる。
「やっぱ弘明君は香澄が好きなのねえ?」 「そんなんじゃねえよ。 女だから助けたまで。」
「それでも一応は女だって思ってるんだ。 香澄も良かったじゃない。」 律子は焦っている香澄に目をやった。
そこへ用務員のおじさんが飛んできた。 「何か声が聞こえたんだが、、、。」
「それなら大丈夫っす。 危機一髪で助けたから。」 「それならいいけど気を付けてくれよ。 この側溝は何人も落ちてるから。」
「それだったら早く修理してよ。」 「何年か前から言ってるんだけど動かなくてねえ。」
おじさんが行ってしまうと律子たちは駅へ歩き始めた。 「ちょいとコンビニに寄ろうかな。」
「寄り道するの? 悪い子ねえ。」 「お前らだって本屋に寄ってただろう?」
「お勉強のためですから。」 「へえ。 算数のドリルでも買ってたのか?」
「ひどーーーい。 ドリルだって。 小学生じゃないのよ あたしたち。」 「子供じゃねえかよ。」
「ひどいひどい。 弘明君だって立派なお子様じゃないよ。」 仲がいいのか悪いのか、3人は話しながらコンビニにやってきた。
「結局、お前たちも来たのか。」 「何よ その言い方?」
俺がアイスを探していると、、、。 「ああ、これってsphのコラボでしょう? かっこいい!」
香澄が頓狂な声を挙げている。 (何だろう?)と思ったらシャイニープラネットハートのジュースだった。
「かっこいいとは思うけど俺は嫌いだなあ。」 「いいの。 弘明君一人が嫌いでもsphは無くならないから。」
まったくしょうがないお嬢さんたちだぜ。 俺は買った最中アイスを香澄と律子に渡した。
「わーお、プレゼントされちゃったああ。」 「勝手に喜んでろ。 行くぞ。」
「ああ、待ってよ! 待ってったら!」 アイスを頬張る二人を残して俺は駅へ、、、。
電車の中でもなぜか美和のことを考えている。 香澄は離れた席でスマホを弄っている。
今日も無事に帰れそうだな。 日当たりも良くなってきたし寝ちゃいそうだぜ。
事故が有った踏切もきれいになったし順調順調。 電車区もいつも通りだねえ。
景色を見ていたら知らない間に香澄も降りて行ったらしい。 駅を出ると空吹かしのバイクが通り過ぎていった。
(初めて買ってもらったんだろうなあ。 05でも嬉しいんだろうなあ。 でもあいつは飛ばし屋にはなれそうもないけど。) 商店街を抜けながらパンダ焼きを買う。
母ちゃんたちも子供の頃から買っていたパンダ焼きだって。 古いよなあ。
家に帰ってくると電話が、、、。 「もしもし、、、。」
「ああ、弘明か。 今日はちょっと遅くなるからコンビニ弁当でも食べといて。」 「はいはい。」
この町で問題が起きたとか言ってたなあ。 でも俺にはさっぱり分かんねえや。
コンビニで買ってきた弁当を食べながらYouTubeを覗いてみる。 クッソ真面目なチャンネルも有ればクッソふざけたチャンネルも有る。
大食い系のユーチューバーモ少し前なら見てたけどはっきり言ってアホらしいし時間の無駄だから最近は見なくなった。
ニュース系も見たいチャンネルと見たくないチャンネルははっきりと分かれる。 正直、左巻きのチャンネルは面白くない。
風景を映しているチャンネルは時によって見応えが有るから好きだなあ。
音だけでも堪らない。 寝れない時にはお勧めだ。
川の音なんて一生聞いててもいいかもしれねえなあ。 と思ったから聞いてみる。
寝転がって聞いてるとまあ癒される。 でもさあ、不意に美和のことを思い出すんだよなあ。
お尻を振りながら掃除していたあの姿、、、。 何か家鴨の子みたいだけど。
お尻の大きな、、、あれはガチョウだったか。 まあいいや。
そんなわけで今日は水曜日。 図書館三日目。 午前中の授業を終わって図書館で本を読んでます。
何気に辺りを見回したら美和が本を読んでいるのが見えました。 (ほんとに本を読むのが好きなんだなあ。)
5ページほど一気に読んでから背伸びを、、、。 「弘明君も本読むの好きなの?」
「そうっす。 ゲームなんかやるくらいなら本を読んでたほうが、、、。」 「私と同じなのね。 職員室はどうも周りがうるさくて、、、。」
「そんなにうるさい?」 「だって隣は山下先生だし、向かいは谷岡先生だから、、、。」
「そりゃあスペシャルにうるさそうだな。」 「分かるでしょう? だからここに居るの。」
笑いながら美和が立ち上がったものだから俺は下着をチェックした。 (今日は見えないな。 ざんねーん。)
「ねえねえ、弘明君は彼女なんて居るの?」 「だちは多いけど彼女は居ないかも。」
「そうなんだ。」 「先生はどうだったんです?」
「私も居なかったのよ。 ずっと勉強ばかりしてたから。」 「そっか。 先生も大変だったんだね。」
「先生って言い方 やめてくれないかなあ?」 「何で?」
「どうもさあ先生って呼ばれるの嫌いなんだ。」 「でも学校なんだからさあ、、、。」
「二人きりの時は美和ちゃんでいいわよ。」 「ほんとに?」
「うん。」 ここまで来ると美和が教師には見えなくなってくる。
隣に座って本を読んでいる美和を見てるとドキドキどころか幸せな気分になってくる。 これが恋ってやつなのかなあ?
香澄たちにばれないようにしなきゃね。 ねえ、先生。
そしてそして今日も放課後になりました。 帰宅組は終了と共に外へ出ていくんだ。 教室には進学組が残っていて今日は物理の勉強をするんだとか、、、。
(あいつらの頭の中はどうなってんだよ? まあ覗いたって珍紛漢紛だろうけど覗いてみたいもんだな。) 外へ出て通りを歩いていると赤いフェアレディーが走って行くのが見えた。
(美和じゃねえだろうなあ?) 運転しているのはおじさんだった。 「ちきしょうめ。」
「え? 何?」 「いやいや、何でもない。」
「弘明君 この頃何か変だよ。」 「そうか?」
「どうも怪しいなあ。」 「何が?」
「まさか、高橋先生と出来てるんじゃないでしょうねえ?」 「アホか。 俺が出来てたら米谷だって出来てるぞ。」
「そうじゃなくて、、、。」 「まあいいじゃない。 時期に分かるわよ。 香澄。」
「そうねえ。 そういうことにしようか。」 「何だいそりゃ?」
「いいのいいの。 女だけの直感だから。」 「お前の直感はスイーツだけだろう?」
「ひどいなあ。 私は蟻じゃないんだから。」 「蟻みたいなもんだよ。 お前の鼻は。」
「クンクン。 何も臭いませんが、、、、。」 「お前は犬か?」
「はーーあ、ポチになりたかったなあ。」 「なってどうするんだよ?」
「いーーーーーーーっぱいおやつを貰うんだ。」 「やっぱりそれか。」
「やっぱりそれか?は無いでしょう?」 「お前だったら大有りだよ。」
「ひどいなあ。 昔からの彼女にそんなこと言っちゃって。」 「お前が彼女だったら律子がママになるだろう?」
「ねえ、律子ママ 助けてよ。」 「どうやって助けるのよ?」
「ママまでひどいなあ。」 そうやって今日もお互いを突き合いながら駅までやってきた。
特急が下りホームを駆け抜けていった。 「あれ? もうそんな時間?」
「おかしいなあ。 こんな時間に特急が走るなんて、、、。」 そしたら駅員が走ってきた。
「すいませーーん。 電車が途中で故障運休したのでダイヤが乱れております。 各列車40分遅れでの運航になりますのでご注意くださーーーい。」
「事故に飛び込みに故障か。 いろいろ有り過ぎだぜ。 まったく、、、。」 「しょうがないじゃない。 電車に事故は付き物よ。」
「何悟ったようなことを言ってんだ?」 「いいじゃない。 私は本屋でのんびりしようっと。」
「また少女漫画でも読むのか?」 「少女になりたいわ。」
「お前、中年高校生だもんなあ。」 不貞腐れた香澄を見送ってから駅の外へ出た。
そういえば美和はバレー部の顧問になってたよな。 ほんとにやってられるのかなあ?
放課後の体育館を覗いてみる。 バレー部員が準備体操をしている。 その奥のほうを見ると監督と一緒に体操している美和が居た。
(なかなかやるじゃん。) 「弘明君 帰っちゃうわよ。」
後ろのほうで香澄の声が聞こえた。 「やべえやべえ。 気付かれたら終わりだぞ。」
昇降口へバタバタと走って行く。 いつものように香澄と律子が笑っていた。
「何を見てたのかなあ?」 「部活の様子だけど、、、。」
「あれだけバレー部を馬鹿にしてたのに?」 「してねえけどなあ。」
「うっそ? 豚だの何だのって言ってたじゃない。」 「ああ、あれは葛本みゆきだからだよ。」
「ひどーーーーーーい。 今や女子バレー界ではヒロインになりつつあるあの葛本さんを馬鹿にしてたなんて信じられナーーーーーい。」 「うるせえなあ。 ほらほら、そこ側溝だぜ。」
「キャーーーーー!」 嵌り込みかけた香澄を助けてやる。
「やっぱ弘明君は香澄が好きなのねえ?」 「そんなんじゃねえよ。 女だから助けたまで。」
「それでも一応は女だって思ってるんだ。 香澄も良かったじゃない。」 律子は焦っている香澄に目をやった。
そこへ用務員のおじさんが飛んできた。 「何か声が聞こえたんだが、、、。」
「それなら大丈夫っす。 危機一髪で助けたから。」 「それならいいけど気を付けてくれよ。 この側溝は何人も落ちてるから。」
「それだったら早く修理してよ。」 「何年か前から言ってるんだけど動かなくてねえ。」
おじさんが行ってしまうと律子たちは駅へ歩き始めた。 「ちょいとコンビニに寄ろうかな。」
「寄り道するの? 悪い子ねえ。」 「お前らだって本屋に寄ってただろう?」
「お勉強のためですから。」 「へえ。 算数のドリルでも買ってたのか?」
「ひどーーーい。 ドリルだって。 小学生じゃないのよ あたしたち。」 「子供じゃねえかよ。」
「ひどいひどい。 弘明君だって立派なお子様じゃないよ。」 仲がいいのか悪いのか、3人は話しながらコンビニにやってきた。
「結局、お前たちも来たのか。」 「何よ その言い方?」
俺がアイスを探していると、、、。 「ああ、これってsphのコラボでしょう? かっこいい!」
香澄が頓狂な声を挙げている。 (何だろう?)と思ったらシャイニープラネットハートのジュースだった。
「かっこいいとは思うけど俺は嫌いだなあ。」 「いいの。 弘明君一人が嫌いでもsphは無くならないから。」
まったくしょうがないお嬢さんたちだぜ。 俺は買った最中アイスを香澄と律子に渡した。
「わーお、プレゼントされちゃったああ。」 「勝手に喜んでろ。 行くぞ。」
「ああ、待ってよ! 待ってったら!」 アイスを頬張る二人を残して俺は駅へ、、、。
電車の中でもなぜか美和のことを考えている。 香澄は離れた席でスマホを弄っている。
今日も無事に帰れそうだな。 日当たりも良くなってきたし寝ちゃいそうだぜ。
事故が有った踏切もきれいになったし順調順調。 電車区もいつも通りだねえ。
景色を見ていたら知らない間に香澄も降りて行ったらしい。 駅を出ると空吹かしのバイクが通り過ぎていった。
(初めて買ってもらったんだろうなあ。 05でも嬉しいんだろうなあ。 でもあいつは飛ばし屋にはなれそうもないけど。) 商店街を抜けながらパンダ焼きを買う。
母ちゃんたちも子供の頃から買っていたパンダ焼きだって。 古いよなあ。
家に帰ってくると電話が、、、。 「もしもし、、、。」
「ああ、弘明か。 今日はちょっと遅くなるからコンビニ弁当でも食べといて。」 「はいはい。」
この町で問題が起きたとか言ってたなあ。 でも俺にはさっぱり分かんねえや。
コンビニで買ってきた弁当を食べながらYouTubeを覗いてみる。 クッソ真面目なチャンネルも有ればクッソふざけたチャンネルも有る。
大食い系のユーチューバーモ少し前なら見てたけどはっきり言ってアホらしいし時間の無駄だから最近は見なくなった。
ニュース系も見たいチャンネルと見たくないチャンネルははっきりと分かれる。 正直、左巻きのチャンネルは面白くない。
風景を映しているチャンネルは時によって見応えが有るから好きだなあ。
音だけでも堪らない。 寝れない時にはお勧めだ。
川の音なんて一生聞いててもいいかもしれねえなあ。 と思ったから聞いてみる。
寝転がって聞いてるとまあ癒される。 でもさあ、不意に美和のことを思い出すんだよなあ。
お尻を振りながら掃除していたあの姿、、、。 何か家鴨の子みたいだけど。
お尻の大きな、、、あれはガチョウだったか。 まあいいや。
そんなわけで今日は水曜日。 図書館三日目。 午前中の授業を終わって図書館で本を読んでます。
何気に辺りを見回したら美和が本を読んでいるのが見えました。 (ほんとに本を読むのが好きなんだなあ。)
5ページほど一気に読んでから背伸びを、、、。 「弘明君も本読むの好きなの?」
「そうっす。 ゲームなんかやるくらいなら本を読んでたほうが、、、。」 「私と同じなのね。 職員室はどうも周りがうるさくて、、、。」
「そんなにうるさい?」 「だって隣は山下先生だし、向かいは谷岡先生だから、、、。」
「そりゃあスペシャルにうるさそうだな。」 「分かるでしょう? だからここに居るの。」
笑いながら美和が立ち上がったものだから俺は下着をチェックした。 (今日は見えないな。 ざんねーん。)
「ねえねえ、弘明君は彼女なんて居るの?」 「だちは多いけど彼女は居ないかも。」
「そうなんだ。」 「先生はどうだったんです?」
「私も居なかったのよ。 ずっと勉強ばかりしてたから。」 「そっか。 先生も大変だったんだね。」
「先生って言い方 やめてくれないかなあ?」 「何で?」
「どうもさあ先生って呼ばれるの嫌いなんだ。」 「でも学校なんだからさあ、、、。」
「二人きりの時は美和ちゃんでいいわよ。」 「ほんとに?」
「うん。」 ここまで来ると美和が教師には見えなくなってくる。
隣に座って本を読んでいる美和を見てるとドキドキどころか幸せな気分になってくる。 これが恋ってやつなのかなあ?
香澄たちにばれないようにしなきゃね。 ねえ、先生。
そしてそして今日も放課後になりました。 帰宅組は終了と共に外へ出ていくんだ。 教室には進学組が残っていて今日は物理の勉強をするんだとか、、、。
(あいつらの頭の中はどうなってんだよ? まあ覗いたって珍紛漢紛だろうけど覗いてみたいもんだな。) 外へ出て通りを歩いていると赤いフェアレディーが走って行くのが見えた。
(美和じゃねえだろうなあ?) 運転しているのはおじさんだった。 「ちきしょうめ。」
「え? 何?」 「いやいや、何でもない。」
「弘明君 この頃何か変だよ。」 「そうか?」
「どうも怪しいなあ。」 「何が?」
「まさか、高橋先生と出来てるんじゃないでしょうねえ?」 「アホか。 俺が出来てたら米谷だって出来てるぞ。」
「そうじゃなくて、、、。」 「まあいいじゃない。 時期に分かるわよ。 香澄。」
「そうねえ。 そういうことにしようか。」 「何だいそりゃ?」
「いいのいいの。 女だけの直感だから。」 「お前の直感はスイーツだけだろう?」
「ひどいなあ。 私は蟻じゃないんだから。」 「蟻みたいなもんだよ。 お前の鼻は。」
「クンクン。 何も臭いませんが、、、、。」 「お前は犬か?」
「はーーあ、ポチになりたかったなあ。」 「なってどうするんだよ?」
「いーーーーーーーっぱいおやつを貰うんだ。」 「やっぱりそれか。」
「やっぱりそれか?は無いでしょう?」 「お前だったら大有りだよ。」
「ひどいなあ。 昔からの彼女にそんなこと言っちゃって。」 「お前が彼女だったら律子がママになるだろう?」
「ねえ、律子ママ 助けてよ。」 「どうやって助けるのよ?」
「ママまでひどいなあ。」 そうやって今日もお互いを突き合いながら駅までやってきた。
特急が下りホームを駆け抜けていった。 「あれ? もうそんな時間?」
「おかしいなあ。 こんな時間に特急が走るなんて、、、。」 そしたら駅員が走ってきた。
「すいませーーん。 電車が途中で故障運休したのでダイヤが乱れております。 各列車40分遅れでの運航になりますのでご注意くださーーーい。」
「事故に飛び込みに故障か。 いろいろ有り過ぎだぜ。 まったく、、、。」 「しょうがないじゃない。 電車に事故は付き物よ。」
「何悟ったようなことを言ってんだ?」 「いいじゃない。 私は本屋でのんびりしようっと。」
「また少女漫画でも読むのか?」 「少女になりたいわ。」
「お前、中年高校生だもんなあ。」 不貞腐れた香澄を見送ってから駅の外へ出た。



