数学の授業が有って昼休みに図書館で会って放課後には車で送ってもらって、今日は美和デーと言ってもいいくらいの美和デーだな。
帰り際、美和が「明日も数学は有るからちゃんと勉強しようね。」ってウインクするもんだから俺はなかなか寝付けないでいる。 (あんにゃろう、やりやがったな。)
とはいえ、惚れちまったのは俺のほうだ。 助手席に乗せてもらって余計に頭がヒートアップしているみたい。 でもさあ、美和だって彼氏くらいは居るだろう。
居ないわけ無いよなあ。 顔も可愛いし胸もでかいし車も持ってるし、、、。
その辺のミーハーなら冗談混じりで難破したって、、、。 でもなあ、あいつなら簡単には乗らないだろう。
じゃなかったら既に結婚してるよ。 なあ、父ちゃん。
真夜中、眠れなくなってパソコンを開いた。 YouTubeを見ていると今は流行りの男が何か喋ってる。
(くだらねえなあ。 100万で人気を取ろうったって無理だよ。 お前センス無さ過ぎ。) 辛口のコメントを書いてみる。
でもさあ、こういうやつらって何ぼ注意しても聞いてないんだよなあ。 自分天国なんだから。
もっとましな動画は無いのかなあ? 探していると見慣れないチャンネル名が、、、。
『リーと義明の今日の話題チャンネル』だって。 覗いてみた俺は吹き出してしまった。
「リーって律子じゃないか。 あいつこんなチャンネルやってたんだなあ。」 うちの高校の七不思議になりそうだぜ。
まだまだ動画は一本投稿されたばかり。 しかも三日前。
(まあいいじゃねえか。 なんとかして目立ちたいんだろう? 頑張ってくれよ。」 最近はアホ過ぎるユーチューバーも多いからなあ。
お前はやらないのかって? 流行だけでやるんなら俺はやらないよ。 [これ!]って物が見付かれば別だけど。
料理はやらないし玩具は買わない。 ニュースはたまに見るだけだし呟くような出来事も無い。
つまりはお喋りするネタが無いってことだ。 理に適ってるだろう?
さあさあ水曜日だ。 寝不足だから今日の俺はイライラしてるぞ。
「あーーーら、弘明君 おはようございまーーーす。」 「何だよ 改まって。」
「何かいいことが有ったみたいだからさあ、、、。」 「無い無い。
「嘘だよねえ? 顔がにやけてるもん。」 「ギク、、、。」
「ほーーーら、やっぱりだあ。 何が有ったの?」 「何もねえってばよ。」
「うっそ。 何か有ったんでしょう? ずるーーーい。」 香澄は朝から俺を追いかけまわしている。
「待てーーーーーー!」 そこへ久保山先生が入ってきた。
香澄は曲がり切れずに久保山先生と正面衝突してしまった。 「こらこら、教室の中を走り回るやつが有るか。」
「すいません。 弘明君が悪いんです。」 「誰がどうじゃない。 教室の中で走り回っていたお前が悪いんだ。」
「そんなこと言ったって、、、。」 「お前はそうだな、この階の廊下を掃除してもらおうかな?」
「それだけはやめてくださーい。」 「可愛くしたってダメだぞ。」
「イェー。 怒られてやんの。」 「坂崎 お前が代りに廊下の掃除をしろ。」
「何で俺なんすか?」 「いっつも騒いでるからだよ。」
ホームルームが終わるとみんなは社会科教室へ移動する。 あの煙草臭い部屋、、、。
真由美が何かを取り出した。 「何だそれ?」
「消臭スプレーよ。」 「そんなのやったって無駄だよ。」
「やらないよりましでしょう?」 「そうかなあ?」
相変わらず賑やかにやっているやつらとは別に俺はどっか暗くなっている。 今日は数学の授業が無い日だから。
「おいおい、弘明君 何ボーっとしてるんだ?」 「あっそうか。 今日は高橋先生に会えない日なんだよなあ。」
「そっか。 数学が無いからボーっとしてるんだ。」 (勝手なことばかり言いやがるぜ。 まったく。)
午前中は何か集中できなくてボーっとしている。 昨日はさすがに興奮してたんだなあ。
そりゃそうさ。 あんまり喋らなかった美和と喋れたんだもん。 おまけに車にまで乗っちゃって。
久保山先生がニヤニヤしてたのは大いに気になるけどな。 羨ましかったのかな?
でも久保山先生がホームルームでそのことに触れなかったのは助かったぜ。 喋られたら大騒ぎになってた。
そのままで昼休みになっちまった。 いつものように速めに弁当を掻き込んで図書館へ。 今日も図書館は静かなもんだ。
奥のほうで本を広げて読んでいると司書室からまたまた話し声が聞こえてきた。 「昨日さあ、美和ちゃん 車に誰を乗せてたの?」 「弘明君。」
「えーーー? 何で?」 「事故で電車が止まってしまって動かないって言うから。」 「そんで家まで送ったの?」
「私、弘明君のお母さんとも知り合いなんですよ。 だから。」 「そっか。 知り合いだったのか。 それじゃあなあ。」
二人は楽しそうになおも話し続けている。 俺はその話を聞きながら本を読んでいる。
(まあ今週は図書館の掃除もやるんだからこのまま居てもいいな。) そう思っていると美和が入ってきた。
「今日も来てるのね?」 「そうです。」
「何かよそよそしいなあ。」 「だって学校だから。」
「そっか。 もうちっと普通に話したい。」 「何で?」
「お姉さんとも友達なんだからさ。」 「でも俺、、、。」
「いいわ。 まだまだ知り合ったばかりだもんね。」 とはいうものの妙に心臓がバクバクしている。
なぜなんだろう? 堪らなく好きな人に会ったような、、、。
二人揃って本を読みながら無口になっている。 俺たちだけ遠い世界に行ってしまったような感じ。
不思議なくらいに誰も来ない。 水谷さんだって司書室から出てこない。
本当に二人だけの世界、、、。 このままでいてくれ。
俺はそう願いたくなった。
そんな所に昼休み終了のチャイムが鳴った。 「さて掃除しますか。」
昨日も掃除したのだからそんなに汚れていないように見えるんだけど美和はモップを持ってきて楽しそうに床を拭いている。 俺も雑巾を持って机から机へ渡り歩いている。
気付かれないように美和の後ろを追い掛けていく。 そしたら美和が振り向いた。
「またお尻を見てたのね?」 小声で聞いてきた。
俺は口に人差し指を当てて「見てなんか無いよ。」って言ったんだけど美和はクスクス笑いながらお尻を振ってきた。
(あのやろう、誘惑するんだからなあ。) 今日も美和にやられちまったらしい。
掃除が終わった後、職員室に帰る美和の耳元で言ってみた。 「先生さあ、下着が見えてるよ。」
「え?」 「紺のスカートで白い下着を着けてるでしょう? 見え見えだよ。」
「ありがとう。 教えてくれて。」 真っ赤な顔で職員室に入っていく美和を送ってから俺も教室に戻ってきた。
「よう、美和の彼氏さん。」 「うっせえなあ。 何が言いたいんだよ?」
「美和先生を口説いてたでしょう?」 「は? 何のこと?」
「今週は図書館掃除だからさあ、、、。」 「ただ掃除してただけだけど。」
「そうかなあ? そのようには見えないんだけどなあ。」 「勝手に想像してろ。」
帰り際、美和が「明日も数学は有るからちゃんと勉強しようね。」ってウインクするもんだから俺はなかなか寝付けないでいる。 (あんにゃろう、やりやがったな。)
とはいえ、惚れちまったのは俺のほうだ。 助手席に乗せてもらって余計に頭がヒートアップしているみたい。 でもさあ、美和だって彼氏くらいは居るだろう。
居ないわけ無いよなあ。 顔も可愛いし胸もでかいし車も持ってるし、、、。
その辺のミーハーなら冗談混じりで難破したって、、、。 でもなあ、あいつなら簡単には乗らないだろう。
じゃなかったら既に結婚してるよ。 なあ、父ちゃん。
真夜中、眠れなくなってパソコンを開いた。 YouTubeを見ていると今は流行りの男が何か喋ってる。
(くだらねえなあ。 100万で人気を取ろうったって無理だよ。 お前センス無さ過ぎ。) 辛口のコメントを書いてみる。
でもさあ、こういうやつらって何ぼ注意しても聞いてないんだよなあ。 自分天国なんだから。
もっとましな動画は無いのかなあ? 探していると見慣れないチャンネル名が、、、。
『リーと義明の今日の話題チャンネル』だって。 覗いてみた俺は吹き出してしまった。
「リーって律子じゃないか。 あいつこんなチャンネルやってたんだなあ。」 うちの高校の七不思議になりそうだぜ。
まだまだ動画は一本投稿されたばかり。 しかも三日前。
(まあいいじゃねえか。 なんとかして目立ちたいんだろう? 頑張ってくれよ。」 最近はアホ過ぎるユーチューバーも多いからなあ。
お前はやらないのかって? 流行だけでやるんなら俺はやらないよ。 [これ!]って物が見付かれば別だけど。
料理はやらないし玩具は買わない。 ニュースはたまに見るだけだし呟くような出来事も無い。
つまりはお喋りするネタが無いってことだ。 理に適ってるだろう?
さあさあ水曜日だ。 寝不足だから今日の俺はイライラしてるぞ。
「あーーーら、弘明君 おはようございまーーーす。」 「何だよ 改まって。」
「何かいいことが有ったみたいだからさあ、、、。」 「無い無い。
「嘘だよねえ? 顔がにやけてるもん。」 「ギク、、、。」
「ほーーーら、やっぱりだあ。 何が有ったの?」 「何もねえってばよ。」
「うっそ。 何か有ったんでしょう? ずるーーーい。」 香澄は朝から俺を追いかけまわしている。
「待てーーーーーー!」 そこへ久保山先生が入ってきた。
香澄は曲がり切れずに久保山先生と正面衝突してしまった。 「こらこら、教室の中を走り回るやつが有るか。」
「すいません。 弘明君が悪いんです。」 「誰がどうじゃない。 教室の中で走り回っていたお前が悪いんだ。」
「そんなこと言ったって、、、。」 「お前はそうだな、この階の廊下を掃除してもらおうかな?」
「それだけはやめてくださーい。」 「可愛くしたってダメだぞ。」
「イェー。 怒られてやんの。」 「坂崎 お前が代りに廊下の掃除をしろ。」
「何で俺なんすか?」 「いっつも騒いでるからだよ。」
ホームルームが終わるとみんなは社会科教室へ移動する。 あの煙草臭い部屋、、、。
真由美が何かを取り出した。 「何だそれ?」
「消臭スプレーよ。」 「そんなのやったって無駄だよ。」
「やらないよりましでしょう?」 「そうかなあ?」
相変わらず賑やかにやっているやつらとは別に俺はどっか暗くなっている。 今日は数学の授業が無い日だから。
「おいおい、弘明君 何ボーっとしてるんだ?」 「あっそうか。 今日は高橋先生に会えない日なんだよなあ。」
「そっか。 数学が無いからボーっとしてるんだ。」 (勝手なことばかり言いやがるぜ。 まったく。)
午前中は何か集中できなくてボーっとしている。 昨日はさすがに興奮してたんだなあ。
そりゃそうさ。 あんまり喋らなかった美和と喋れたんだもん。 おまけに車にまで乗っちゃって。
久保山先生がニヤニヤしてたのは大いに気になるけどな。 羨ましかったのかな?
でも久保山先生がホームルームでそのことに触れなかったのは助かったぜ。 喋られたら大騒ぎになってた。
そのままで昼休みになっちまった。 いつものように速めに弁当を掻き込んで図書館へ。 今日も図書館は静かなもんだ。
奥のほうで本を広げて読んでいると司書室からまたまた話し声が聞こえてきた。 「昨日さあ、美和ちゃん 車に誰を乗せてたの?」 「弘明君。」
「えーーー? 何で?」 「事故で電車が止まってしまって動かないって言うから。」 「そんで家まで送ったの?」
「私、弘明君のお母さんとも知り合いなんですよ。 だから。」 「そっか。 知り合いだったのか。 それじゃあなあ。」
二人は楽しそうになおも話し続けている。 俺はその話を聞きながら本を読んでいる。
(まあ今週は図書館の掃除もやるんだからこのまま居てもいいな。) そう思っていると美和が入ってきた。
「今日も来てるのね?」 「そうです。」
「何かよそよそしいなあ。」 「だって学校だから。」
「そっか。 もうちっと普通に話したい。」 「何で?」
「お姉さんとも友達なんだからさ。」 「でも俺、、、。」
「いいわ。 まだまだ知り合ったばかりだもんね。」 とはいうものの妙に心臓がバクバクしている。
なぜなんだろう? 堪らなく好きな人に会ったような、、、。
二人揃って本を読みながら無口になっている。 俺たちだけ遠い世界に行ってしまったような感じ。
不思議なくらいに誰も来ない。 水谷さんだって司書室から出てこない。
本当に二人だけの世界、、、。 このままでいてくれ。
俺はそう願いたくなった。
そんな所に昼休み終了のチャイムが鳴った。 「さて掃除しますか。」
昨日も掃除したのだからそんなに汚れていないように見えるんだけど美和はモップを持ってきて楽しそうに床を拭いている。 俺も雑巾を持って机から机へ渡り歩いている。
気付かれないように美和の後ろを追い掛けていく。 そしたら美和が振り向いた。
「またお尻を見てたのね?」 小声で聞いてきた。
俺は口に人差し指を当てて「見てなんか無いよ。」って言ったんだけど美和はクスクス笑いながらお尻を振ってきた。
(あのやろう、誘惑するんだからなあ。) 今日も美和にやられちまったらしい。
掃除が終わった後、職員室に帰る美和の耳元で言ってみた。 「先生さあ、下着が見えてるよ。」
「え?」 「紺のスカートで白い下着を着けてるでしょう? 見え見えだよ。」
「ありがとう。 教えてくれて。」 真っ赤な顔で職員室に入っていく美和を送ってから俺も教室に戻ってきた。
「よう、美和の彼氏さん。」 「うっせえなあ。 何が言いたいんだよ?」
「美和先生を口説いてたでしょう?」 「は? 何のこと?」
「今週は図書館掃除だからさあ、、、。」 「ただ掃除してただけだけど。」
「そうかなあ? そのようには見えないんだけどなあ。」 「勝手に想像してろ。」



