──貴方に伝えたかった、たった一言。

「ん~惜しい!すっごく惜しい!」

待合室の外のベンチに座って水筒を飲む真希の隣で、私は一人でガヤガヤ感想を言った。

見ていただけなのに、自然と私も悔しくなった。

「あと五点差だよ?!めっちゃ悔しい!!」

点数は四十五点対五十点。

真希もレイアップって言うシュート決めて、かっこよかったのに。

「私…こういうのは初めてだけど凄く楽しかった」

真希が水筒をベンチに置き、何もない壁を優しい目で見ながら言った。

私と違って真希は冷静で、淡々と感想を言った。

凄いな、真希は。と改めて思う。

「よし。じゃあ一緒に二階上がって天野くんたちの試合見よっか」

そう言いながら、真希はベンチをゆっくりと立った。

「あ!真希!先に上がってて、天野くんに声かけて来るから!」と言って一目散に天野くんがいる待合室に走った。

「気をつけてね~!」と真希が手を振りながら私に言ってくれた。

「は~い!」と振り向いて言って、そのまま待合室まで走った。