──貴方に伝えたかった、たった一言。

「俺!最近何をしてても退屈だったんだ!勉強も特技も!何にもやる意味がないと思ってたんだ!」

名前…覚えててくれたんだ…。

天野くんは両手を握りしめて、口を開く。

「でも!樋目野さんと過ごして、久しぶりに笑顔が作れたり、ちょっと楽しかったりしたんだ!」

彼の瞳からも、私の瞳からも涙がこぼれそうだった。

「それで!今日!樋目野さんの奇跡を、信じてみたいと思ったんだ!十本目外して悔しかった!怪我して、バスケ辞めてから初めて悔しいと思った!」

風が私たちの間を通り抜ける。 

「だから…樋目野さんが言ってた奇跡…俺も…信じてみてもいいかな…」

私は三秒くらい目を閉じて、ゆっくり目を開き…。

「いいに決まってるじゃん!」

もう一度口を開く。

「だって…」

夏の大空の下。

茜色の綺麗な太陽の光を浴びて。

私は夏の空気をいっぱいに吸い込み。

天野くんに私はこういった。




「天野くんの!人生なんだもん!」