小説の中の人を拾いました ─辺境領主のご落胤─


「大丈夫かい?」

「あ、あの……」

「うん?」


彫刻……そうだ目の前の美の化身は彫刻なんだ。うん、そう思おう。じゃないとメンタルがもたんて。


「前を隠してください///」

「っ! これは失礼した」


ご近所のマダムたちにセルジュさまのご神体を見られるわけにはいかねー。

とりあえず家の中に入ってもらい、男性物の服を着てもらう。


私、南海祭はひとり暮らし。

独身、彼氏なしだが、弟がいる。

今度の週末に弟に贈ろうと思っていた服。

だが、袖も裾も丈が足りておらず、申しわけない。

でも……。

美男子が着たらそれはもう神の御召し物。

ああ、今日はいい夢が見れそうだぜいっ!