「なんでお姉ちゃんが…死んでるの…?」
「″仮死状態″って言ったほうがいいかな」
「仮死…?」
「信じられないかもしれないけど、これでも俺はちゃんと日和のことを愛していたからね。″こんな風に″汚くはなってほしくないから」
憂さんは台車に雑に乗せた治験者を靴の先でグッと押した。
「この状態も一時的なもので、いずれ美しい向日葵へと成長してはくれるんだけどさ。一時期的だとしても愛した人のこんな姿は見たくないんだ。だからできるだけきれいなまま保ってあげたくてコレを作ったんだ。ホルマリン漬みたいな感じだと思ってくれたいいよ。死んでしまったら細胞が薬品を吸収してくれないから仮死状態にするしかなくて、研究にはかなり時間をかけたよ」
憂さんの知識を良い方向に活かすことができれば
きっと世界が大きく変わる。
なのにこの人は自分自身の欲求や興味でしか
その才能を活かすことができない。
恐ろしいほどに承認欲求が欠けた人。
人並みにその欲求さえあれば、世間に認められたいという願望で
輝かしい未来を手に入れることができるのに。
「じゃあお姉ちゃんはまだ助かる可能性があるんですか!?」
「無いよ」
「なんで…」
「ヒマワリちゃん、投薬は済んでるに決まってるでしょ。向日葵化が完了する前にここから引きずり出した瞬間にコレになるんだよ。俺の努力が水の泡になっちゃうんだからやめてね?」
「なんでお姉ちゃんを…!」
「きみの為だよ」
「私、の…?」
「″仮死状態″って言ったほうがいいかな」
「仮死…?」
「信じられないかもしれないけど、これでも俺はちゃんと日和のことを愛していたからね。″こんな風に″汚くはなってほしくないから」
憂さんは台車に雑に乗せた治験者を靴の先でグッと押した。
「この状態も一時的なもので、いずれ美しい向日葵へと成長してはくれるんだけどさ。一時期的だとしても愛した人のこんな姿は見たくないんだ。だからできるだけきれいなまま保ってあげたくてコレを作ったんだ。ホルマリン漬みたいな感じだと思ってくれたいいよ。死んでしまったら細胞が薬品を吸収してくれないから仮死状態にするしかなくて、研究にはかなり時間をかけたよ」
憂さんの知識を良い方向に活かすことができれば
きっと世界が大きく変わる。
なのにこの人は自分自身の欲求や興味でしか
その才能を活かすことができない。
恐ろしいほどに承認欲求が欠けた人。
人並みにその欲求さえあれば、世間に認められたいという願望で
輝かしい未来を手に入れることができるのに。
「じゃあお姉ちゃんはまだ助かる可能性があるんですか!?」
「無いよ」
「なんで…」
「ヒマワリちゃん、投薬は済んでるに決まってるでしょ。向日葵化が完了する前にここから引きずり出した瞬間にコレになるんだよ。俺の努力が水の泡になっちゃうんだからやめてね?」
「なんでお姉ちゃんを…!」
「きみの為だよ」
「私、の…?」



