あれから一睡もできないまま、
カーテンの隙間から差し込む陽の光で、朝が来たことを知った。
すり足でなるべく音を立てないようにして
そっとベッドルームを出た。
階段を下りる時も、
一段一段、丁寧に。
一階に辿り着いた時には緊張で呼吸まで止めていたのか、一気に酸素が肺に流れ込んで
体がドクドクと脈を打つ。
玄関の前に立つ。
足の裏に神経を集中させてみる。
一日目の夜。
ここに憂さんと立った時、地震みたいに足元が揺れる感覚がした。
今は何も感じない。
あれは本当にただの地震だったのかな。
朝六時。
リビングにはまだ人の気配は無い。
パジャマ姿のまま、
別荘を抜け出した。
やっぱり地上よりも風は冷たいけれど
真夏の早朝は既に暑い。
ひたすらに向日葵の園の奥へ奥へと突き進む。
早歩き、小走りから、
気づいたら私は一目散に走っていた。
きっと都が見たら、
あくびをしちゃいそうなスピードで。
都なら数十秒ハンデを与えられても
私のスピードなんてすぐに追い越してしまうのだろう。
スピードも持久力も、都のほうがウンとあるんだから。
都は凄いんだから。
凄いんだから。
走りながら涙が流れる。
大して早くもない私のスピードでは
涙は風に乗ることもできない。
ただ静かに頬を伝って流れていく。
太陽を向いて堂々と咲き誇る向日葵達。
どこまでも広がるオレンジに紛れて、
あの奇妙な一角に辿り着いた。
カーテンの隙間から差し込む陽の光で、朝が来たことを知った。
すり足でなるべく音を立てないようにして
そっとベッドルームを出た。
階段を下りる時も、
一段一段、丁寧に。
一階に辿り着いた時には緊張で呼吸まで止めていたのか、一気に酸素が肺に流れ込んで
体がドクドクと脈を打つ。
玄関の前に立つ。
足の裏に神経を集中させてみる。
一日目の夜。
ここに憂さんと立った時、地震みたいに足元が揺れる感覚がした。
今は何も感じない。
あれは本当にただの地震だったのかな。
朝六時。
リビングにはまだ人の気配は無い。
パジャマ姿のまま、
別荘を抜け出した。
やっぱり地上よりも風は冷たいけれど
真夏の早朝は既に暑い。
ひたすらに向日葵の園の奥へ奥へと突き進む。
早歩き、小走りから、
気づいたら私は一目散に走っていた。
きっと都が見たら、
あくびをしちゃいそうなスピードで。
都なら数十秒ハンデを与えられても
私のスピードなんてすぐに追い越してしまうのだろう。
スピードも持久力も、都のほうがウンとあるんだから。
都は凄いんだから。
凄いんだから。
走りながら涙が流れる。
大して早くもない私のスピードでは
涙は風に乗ることもできない。
ただ静かに頬を伝って流れていく。
太陽を向いて堂々と咲き誇る向日葵達。
どこまでも広がるオレンジに紛れて、
あの奇妙な一角に辿り着いた。



