向日葵の園

「うん…」

「俺はさ、言ってやるんだ。ライバル達に。今年は俺の怪我のおかげで勝利を譲ってやるって。ラッキーだったなって。でも来年、そのメダルを手にするのは俺だ。怯えて待ってろ、って」

「都は強いね」

「こうでもしなきゃ」

「ん」

「やってらんないから。気持ちが」

「…うん。私にできることなんて無いとは思うんだけど、手伝えることがあったら言ってね」

「ありがとう」

「早く下山できたらいいね」

「あぁ」

「てか、都、痛み止めなんて持ってたの?」

「いや?憂さんが打ってくれたんだ」

「打つ…って?」

「さっき。ひまが来るちょっと前に喉渇いたしリビング行ったんだよ。憂さんが居てさ、″足、痛み始めてない?″って。確かにそうだなぁって思ってそう言ったら痛み止め打ってくれて。注射器だったな。実験で生き物に使ってるから慣れてるんだってさ」

「へぇ……あれ、都…」

「ん?」

「これって」

「…向日葵の種?」

私と都はベッドに並んで腰掛けていた。
その都の足元に向日葵の種が三粒落ちている。

「なんでこんなところに」

「憂さんかな。リビングに入った時さ、なんとなく植物みたいな匂いがしたんだよ。向日葵畑に行ってたとか?…こんな時間には行かないか」