向日葵の園

「足、痛む?」

「痛み止めが今は効いてる」

「そっか。良かった」

「ごめんな。日和さん達にも悪いことしちゃったな。こんな事故起こしちゃってさ。二人とも大丈夫かな。ご両親に怒られるよな…」

「大丈夫だよ。都、私こそごめんなさい」

「なんでひまが謝るんだよ」

「ここに来ること、私がお姉ちゃんにお願いしなければ都に怪我をさせることもなかったよね」

「そんなことさ、予想できるわけないじゃん。最初に行きたいって提案した綴だって悪くないよ。それに魚釣りに行けってひまが言ったわけでもないし、あのまま大人しく戻ってれば良かったのに散策してたのは俺らの意志じゃん。ひまはなんにも悪くない」

「でも…」

「そんなこと言ってたら生きてるうちの行動全部に後悔が付き纏うよ。そんなしんどい生き方はやめよ。な?」

「…ありがとう。都、こんなこと言っていいのか分かんないんだけど…全中のこと…」

「うん。無理だろうな」

都はあっけらかんとした声で言った。
本当は平気なはずないのに、私に気を使わせないようにしてくれているのだろう。

「そう…だよね…」

「骨折はしてそうだし。もうあと二週間とかで完治は無理だろ。何よりリハビリも練習する時間も無いからな。今年は諦めるよ」

「一年間、すっごく頑張ってきたのに…」

「しょうがない。そういう運命だったんだろ。ほら、言っただろ?タイムだって伸び悩んでるって。きっと神様が言ってんだよ。″お前にはまだ早い″って。″もう少し練習しろ、調子乗んな″、ってさ。まだ二年生で良かったよ。あと一年、猶予がある。もう三年だったら終わってたけどな」

都は歯を見せてニッて笑った。
無邪気なその笑顔に、私は心臓の奥のほうがギュッてなった。