向日葵の園

リビングにはお肉が焼けるいい匂いが立ち込めた。
野菜達も色とりどりで、お姉ちゃんが一生懸命準備してくれた時間が
無駄にならなくて良かったって思った。

ソファでは三人がトランプで遊んでいる。
二人の気持ちを軽くさせてくれようとしているのか、
憂さんはいつもより大きい声で、よく笑った。

高級お肉は本当にやわらかくて、
もはやどっちが自分の舌か分からなくなる。

″サシ″の入り方が絵画みたいに美しくて
「生きているうちには二度と食べられない」っていうのは真実だと思った。

都はやっぱり食欲が無いのか、あんまり食べなかった。

綴はお姉ちゃんに「綴ちゃん、ちょっと痩せすぎなんじゃない?」とか言われて
取り皿にモリモリに盛られたお肉や野菜、きのこまでたっぷりと食べさせられていた。

「ちょっとお姉ちゃん!食わハラやめてよね!」

「何それ」

「今作った。″食わせ過ぎハラスメント″よ。もう食べられないって言ってんのに孫が可愛くて仕方ないおばあちゃん達が次々とおやつ持ってくんのと同じ現象よ」

「誰がおばあちゃんだってぇー?」

「ふふ。ひま達ってほんと、仲がいいよね」

綴が笑ってくれて、ちょっと空気が軽くなってきたことにホッとした。

どんなに空気を軽くしようと頑張ってみたって、
都の足が治るわけじゃない。

都からしたらこんな風に笑ってどうにかしようとしている私のこと、
ムカついているかもしれないのに…。