向日葵の園

「橋が落ちてたの…。ロープが切れてしまったみたい」

「そんな突然…」

「山の動物達がいたずらしたのかもしれないね。ロープを噛み千切ってしまったり」

「今までそんなこと無かったのに急にですか!?」

「人間だって同じだろう?今までは興味が無かったのに急に夢中になったり、嫌いだった食べ物が好きになったり。自然界の生き物達だってそうだよ。何に興味を示すかは誰にも分からない」

「それはそうだけど…じゃあ…私達はどうなるんですか?」

「町に下りるにはあのルートしか無い。橋を渡れなくなった今、車で下山するには他に方法は無いんだ。スマホの電波が入ったら父に連絡するよ。ヘリを要請しよう」

「へ……」

やっぱり憂さんって、やんごとなき一族なんだ…。
こんな時に思うことでは無いけれど
上流階級の人がなんで平然と、私達と同じ生活圏内で暮らしているのだろう。

「都、足は…」

「痛むけど平気。憂さんの応急処置が適切だったおかげだ。本当にありがとうございます」

「長くても一日…明日は無理でも明後日にはきっと下山できるから。都くんも綴ちゃんも耐えてほしい」

「都…本当にごめん…」

綴が鼻をスン、と吸って
涙声で謝罪する。

「綴、何があったの」