向日葵の園

町に着くのは何時頃だろうか。
そこから治療をしてもらって、都はもうここには戻ってこないかもしれない。

ううん。
私だって早く荷物をまとめて帰らなきゃ。
都のご両親に謝りに行かなきゃいけないし…。

でもここに戻ってこようと思ったらウンと遅い時間になっちゃいそうだし、
今日は憂さんも綴も帰ってこないかも…。

そう思っていたのに、
三十分もしないうちに車のタイヤが砂利道を走ってくる音がかすかに聴こえてきた。

お姉ちゃんと顔を見合わせる。

お互いに声は出さないけれど、「侵入者かも」という恐怖が表情には滲み出ている。

こんなに強く、お姉ちゃんと手を握り合ったのは何歳ぶりだろう。
汗の滲む手で握り締めて、
すり足で玄関へと近寄っていく。

ゴクっと喉を鳴らしたお姉ちゃんが
チェーンを掛けたドアをそっと押し開けて、
隙間から外を確認した。

「……憂?」

「え…?」

憂さん?
なんで?

忘れ物でもしたの?

ドアを全開にしたお姉ちゃんが
都をおぶってこっちに戻って来る憂さんに駆け寄った。

「憂!なんで!」

憂さんの表情はひどく曇っていた。