向日葵の園

シャワールームを出て、リビングに戻る。
ソファの、都とは反対側に綴を座らせて、
脱脂綿に染み込ませた消毒液を切り傷に当てていく。

「っ…」

「痛いよね。頑張れ、頑張れ」

「ひま…ごめんね…」

ぽんぽんって綴の頭を撫でたら、
綴はキュッと下唇を噛んで、泣きそうな目をした。

都は右のふくらはぎに沿って薄い木の板みたいな物を当てられて
白い布でぐるぐるに巻かれている。

「憂さんがしてくれたんですか?」

「ボーイスカウトの経験があるって言っただろ。それにこれでも一応、小さい動物なんかの命に関わる研究者の端くれだからね。簡単な応急処置くらいなら」

「でも悪化しないうちに早く病院に行かないと。憂、一緒に連れて行きましょう」

「今からじゃ戻ってくるのが遅くなる。綴ちゃんも一応診てもらったほうがいいし、ヒマワリちゃんだけ残していくわけにはいかないよ。俺が二人を連れて行くから日和はヒマワリちゃんと一緒に待ってて」

「それならみんなで…」

「日和、忘れちゃったの?一応、ここは″都市伝説″の舞台だよ?荷物を残したまま空けられない。また侵入者でもやって来たら」

「…分かった。じゃあ二人をお願いね」

「ヒマワリちゃん、二人のことは責任持ってお医者さんのところに連れていくから心配しないで」

「よろしくお願いします…」