向日葵の園

「憂さんっ…都…都が動けなくて…」

「それは…」

「もしかしたら骨折してるかもしれません…」

骨折…?都が?

骨折って……足は…。

崖の下で、都は右足をヘタっと横に倒すようにしている。
口呼吸の息が荒い。

「俺が下に下りるよ。都くんをおぶって登ってくるからヒマワリちゃん、できる限りの力でこっちから引っ張ってくれる?」

「分かりました…気をつけてくださいね」

憂さんがもう一度、木に括り付けたロープをギュッと締め直して、
崖を伝って下に下りた。

「掴まって」

都は憂さんよりも大きい。
ロープを握らなきゃいけないから
腕で都を支えることもできない。

相当しんどいのだろう。
歯を食いしばって、憂さんはゆっくりと崖を登ってくる。

私の力が役に立てているか分からないけれど
引きずられながらも必死でロープを引いた。

もう、力もギリギリだったのだろう。
なんとか登り切った憂さんは転がすようにして
都の体を離した。

ロープを手放した私の体にも
ドッと汗が吹き出す。

ゼェゼェと全身で呼吸をする憂さんに
「ありがとうございました」って言った都の声は震えていた。