一応、畑の敷地だからか、
タイヤが地面を擦るたびにガタガタと揺れる。

「でもやっぱり人の足だと大変なのに、管理するとしたらどうやってするんだろう」

「トラクターならあるよ。俺は免許が無いから乗れないけどね」

「なるほど。あ、そうだ。憂さん」

「ん?」

「所々、紙袋で包まれている向日葵がありました。変ですよね?光合成できなさそう」

「あぁ、平気だよ。乾燥させてるところだし」

乾燥…?

向日葵を乾燥させる?
どういうことだろう…。

それに、陽に当たったほうが乾燥しそうなのに。
なんの為に?

「それって…」

「ていうか、都くん達から連絡来た?」

「…あぁ、そう言えばまだ、ですね」

「魚もそんなに沢山釣れるわけじゃないからそろそろ飽きる頃だと思うんだけど」

「山に入ってるのなら電波が届いてないのかもしれませんね。まぁ、カップルですし?せっかくの旅行だし、二人っきりになりたいんでしょう」

「はは、そうかもね。ヒマワリちゃん」

「はい?」

「都くんのこと、好きなんでしょ?」

「えっ…」