向日葵の園

山の気温は地上に比べてグッと低い。
真夏でも、体感はかなり肌寒い。

クーラーが効きすぎているのか
疲れもあって熟睡していたのに、目が覚めてしまった。

スマホで時間を確認したら
ベッドに潜ってからまだ二時間しか過ぎていない。

まだギリギリ、夜十二時を越える前だった。

喉の渇きを感じて、持ってきていたカーディガンを羽織ってリビングに下りた。
都のベッドルームからはもう話し声は聴こえなくて、
半開きだった綴のベッドルームのドアはピッタリと閉められていた。

リビングのドアからはぼんやりと灯りが漏れている。

お姉ちゃん達、まだ起きてるのかな。

ドアノブに手を掛けて中を覗いた。

「都…?」