向日葵の園

シャワーを浴びて、二階に上がった。
部屋割りは最初にみんなで決めた。

綴も都もさっきちょっと覗いた時にはリビングにはもう居なくて、
ベッドルームに行ったのかと思ったけけれど、綴が選んだ私の隣のベッドルームはドアが半開きになっていて、真っ暗だった。

代わりに、その隣の都が選んだベッドルームからは話し声が漏れ聴こえてくる。
あぁ。こんな特別な日だもん。
そりゃすぐに寝ちゃったりしないよね。

ズクズクと胸が痛む。
ちゃんと恋人同士なんだ。

当たり前の、分かりきったことを目の当たりにして傷つくなんて馬鹿げている。

私は自分のベッドルームに入って、
わざとバタンッて大きな音を立ててドアを閉めた。

こんなことでひどく嫉妬しちゃうなんて
あと二日で忘れることなんて本当にできるのかな。

でもこのままなんてツラ過ぎるよ。
私だって早く新しい恋をして、楽しい学校生活を送りたいもん!

忘れる。
明日には。
それが無理でも明後日には絶対に。

忘れる。
忘れるんだ。

羊を数えるみたいに頭の中で念じて、
綴が洗濯してくれた寝具に身を包んで、私は眠りに落ちた。