向日葵の園

「それで?あんたが相談なんて珍しいじゃん。まさか勉強のこと…ではないよね?」

「お姉ちゃん、ちょー失礼」

「勉強なの?」

「違うけど…」

「ほら見なさいよ。で、なんなの?」

「あのさぁ…この辺で噂になってる″都市伝説″…って知ってる?」

「どれのこと?」

「どれって、そんなにいっぱいあんの?」

「あんのかなって思って」

「もう…ほら、向日葵畑の別荘跡地のこと!」

「あぁ…アレね。うん、知ってるけど?」

「向日葵は夏しか咲かないのに一年中咲いてるとか、」

「あ、そう言えばあのポストカード良かったでしょ?憂が選んだんだよ。陽毬に似合いそうだって。反応気にしてたけど、どう?」

「それはすっごく良かったよ、嬉しい。ありがとうって伝えといて…って話逸らさないでよー…」

「はいはい、それで?」

「それで…そう、それから…肝試しに行った人達が二度と戻ってこないとかって噂」

「あるねぇ」

「お姉ちゃん、どう思う?」

「どう思うって?」

「現実なのか、都市伝説なのか!」

「あ、あとアレでしょ。所有者不明。管理者が居ないはずなのに常に清潔に保たれているとかなんとか」

「そう!そんなこと有り得ないじゃん」

「それはねぇ…」

意味深な顔で私の目を覗き込みながら、
お姉ちゃんは突然「あっははははは!」って笑い出した。

目尻に涙まで滲んでいる。

酷いよ、そんなに大笑いしてバカにしてさ!