向日葵の園

「ただいまー」

「お姉ちゃん、おかえりなさい。遅かったね」

二十二時。
別荘跡地へ出掛けることを相談したくて待っていたんだけど
お姉ちゃんの帰りは遅かった。

「うん。ご飯食べてきちゃった」

(ゆう)さんと?」

「うん」

お姉ちゃんには同い年、同じ大学、同じ学部の彼氏が居る。

第一希望の大学に通って、
学びたいことも恋愛も順調なお姉ちゃん。

姉妹でこんなにも差ってできちゃうものなの?

ううん、私はまだ十四歳だし!
お姉ちゃんを見習ってきちんとしていれば
私だって憧れのお姉ちゃんみたいになれるはずだもん!

「お姉ちゃんすぐお風呂入る?」

「んー。メイク落としたいし。あんた明日も学校でしょ?早く寝なさいよ」

「お姉ちゃんに相談があって待ってたんだよ」

「陽毬、お姉ちゃん疲れてるんだから」

お母さんがリビングのソファから言ってくる。
視線は毎週楽しみにしている連続ドラマに釘付けのまま。

「いいよ、待ってたんなら悪いし。上行こっか」

「あんまり遅くならないでよー!?」

「分かってるってば!お姉ちゃん、行こ」