「本当の気持ちは、聞かないとわかんないよね…。ちゃんと伝えないとわかってもらえないよね」
眞紘がポケットから取り出したハンカチを差し出してくれた。
だけど、首を横に振って断り、乱暴に自分で涙を拭う。
もう、泣かない。涙を拭ってくれる人がいなくても大丈夫なように。
今まで散々泣いてきたんだ。
次は心から笑えるあの日常を、取り戻すんだ。
「明日、午後六時!あの橋の上待ち合わせ。みんなで、明日の夏祭り行こう。夏らしいことその一!」
「…ああ。まだまだしないといけないことはたくさんあるからな」
まだここに残ると伝えると、眞紘は「また明日」と言って帰っていった。
ふぅと小さく息を吐き出し、スマホを見つめる。
「…もしもし」
電話の相手は、2コール目で出てくれた。
「私私。元気、颯太?」
「…オレオレ詐欺は受け付けてません。いや、ワタシワタシ詐欺か?」
眞紘がポケットから取り出したハンカチを差し出してくれた。
だけど、首を横に振って断り、乱暴に自分で涙を拭う。
もう、泣かない。涙を拭ってくれる人がいなくても大丈夫なように。
今まで散々泣いてきたんだ。
次は心から笑えるあの日常を、取り戻すんだ。
「明日、午後六時!あの橋の上待ち合わせ。みんなで、明日の夏祭り行こう。夏らしいことその一!」
「…ああ。まだまだしないといけないことはたくさんあるからな」
まだここに残ると伝えると、眞紘は「また明日」と言って帰っていった。
ふぅと小さく息を吐き出し、スマホを見つめる。
「…もしもし」
電話の相手は、2コール目で出てくれた。
「私私。元気、颯太?」
「…オレオレ詐欺は受け付けてません。いや、ワタシワタシ詐欺か?」

