100日後、キミのいない世界で生きていく

…そう言えば、そんなようなことを言って眞紘に爆笑をされたことを思い出す。

こっちはいたって真剣に友達の恋愛相談に乗っていたというのに、あまりにも笑うものだから少しだけムッとしたんだっけ。


「だけど、それが陽菜乃らしいと俺は思った。諦めるなって背中を押してくれた陽菜乃のおかげで、俺は美波に告白ができた。付き合うことができた。俺は陽菜乃と出逢えなかったらきっとこんなにうまくはいかなかったよ。諦めないことを教えてくれたのは、陽菜乃なんだ」


…ああ、どうして忘れていたんだろう。

莉久に片想いをしていた時だって、振り向かせるまで諦めないってそう思っていた。

馬鹿みたいだけど、諦めなければ道はきっと開けると信じていたから。


それなのに今の私は、みんなと離れ離れになったことを嘆き悲しんでいるだけで元に戻そうと何も行動していない。

ただ、もう無理だと諦めていた。

これ以上みんなを傷つけるのが怖くて、しっかりと向き合うことから逃げていたんだ。


「みんなと出逢わなければよかったなんて、やっぱりどうしても思えないよ…。私は出逢えてよかったって、それしか出てこないの…っ」

「俺もそうだよ。きっとみんなも、同じ気持ちだよ」


本当にそうなのかな。

莉久も颯太も若菜も、心のどこかではそう思ってくれている…?