100日後、キミのいない世界で生きていく

ふとバスケ部の輪に目を向けると、颯太の姿がいつの間にか消えていた。


「陽菜乃、下行くよー」


ぞろぞろと帰っていく列に続こうと歩き出していた美波が「おーい」と手を振ってきた。


「ごめん、先行っててー!」


不思議そうにしている美波たちに断りを入れてから、列を外れて下に下りる。

保健室に寄ってから廊下を歩いていると、中庭のベンチで腕を顔に当てて寝転がっている颯太を発見する。


「颯太」

「…え、陽菜乃?」


驚いたように起き上がった颯太の目は少し赤くなっていて、慌てたように顔を逸らしてきた。


「足、痛いんでしょ?」


颯太の右足首にさっき保健室から拝借してきた氷のうを当てる。


「…なんで、気づくんだよ」

「見てればわかるよー。本当は死ぬほど痛いくせに、先輩たちのために言い出せなかったんでしょ?颯太はちゃんと最後までやり切ったよ」