100日後、キミのいない世界で生きていく

「陽菜乃はたしかに惚れっぽかったけど、その一つ一つ全部が全力だったよね。知ってたのに…この前ひどいこと言った、ごめん。陽菜乃と一緒で私もずっと六人で仲良くしてたいよ。…だけど、陽菜乃と莉久が付き合うことで、不安って気持ちが私たちをバラバラにしちゃう気がして、怖かった…。私だって六人グループの中で眞紘と付き合ってるのに、陽菜乃にはいつも一番応援してもらってたのに、今を壊したくなくて自分が嫌だと思って…自分勝手な気持ちで陽菜乃を傷つけた」

「…いいよ、もう。みんなの気持ちもわかってたから。だから、私と莉久も別れるって選択をしたの。…だけど、この先また付き合わないなんてことは言ってないからね?私はこの先、きっと莉久のことしか好きになれないと思うの。惚れっぽかったくせにって思うかもしれないけど、そんな自信があるんだ。男見る目はないけど、私の勘って結構当たるんだよ?だから、ちょっとずつみんなの信頼を取り戻して、莉久ともう一度付き合う。それが私のもう一つの夢でもあるのです」

「ふっ…何それ。陽菜乃の夢ってどっちも陽菜乃らしいっていうか、他の人とは全然違う感じ。私は陽菜乃のそんなとこが好きなんだけどね」

「えー告白?私には心に決めた人がいるんだけどなぁ」

「いや、ごめん。私も眞紘だけだから」


美波と顔を見合わせて、どちらからともなく吹き出す。


また一から、始めればいい。

変わらない想いだってたしかにあるから。

みんながダメって言うなら、みんながいいよって認めてくれるまで何度だって諦めない。

それが、私らしい。


「あ、来た。おまえら二人が一番最後だよ。もうすぐ颯太の試合始まんだろー」

「莉久、好き!」