「…私、トイレ行ってくる」
溢れそうな涙を隠すように背を向け、教室を飛び出す。
「…え、莉久?」
さっき出て行ったはずの莉久が壁に背をつけてもたれかかっていた。
「スマホとイヤホン取りに戻ろうとしたら、おまえらが俺のこと話してるんだもん。入れなくなっただろ」
莉久が困ったように笑いながら、私の目尻に溜まっていた涙をそっと親指の腹で拭ってくれた。
「…陽菜乃が傷つくくらいなら、一回別れた方がいいのかもな」
「…っ。なんで、そんなこと言うの…」
わかっている。莉久はみんなが思うよりもずっと私のことを大切に想ってくれている。
だから、そんなに辛そうに笑うんだよね。
「俺だけがあれこれ言われるのは仕方のないことだけど、そのせいで陽菜乃は傷つくだろ?最近はぱったりなくなった嫌がらせだって、またいつ再開するかわからない。結局犯人だってまだ見つかってないし、四人ともギスギスしたままは嫌だろ?前みたいに戻るなら、俺たちが一回別れるのが一番いい方法なんだよ。もちろん、俺は別れても陽菜乃しか好きじゃねぇし、落ち着いてきたらもう一度付き合おう」
溢れそうな涙を隠すように背を向け、教室を飛び出す。
「…え、莉久?」
さっき出て行ったはずの莉久が壁に背をつけてもたれかかっていた。
「スマホとイヤホン取りに戻ろうとしたら、おまえらが俺のこと話してるんだもん。入れなくなっただろ」
莉久が困ったように笑いながら、私の目尻に溜まっていた涙をそっと親指の腹で拭ってくれた。
「…陽菜乃が傷つくくらいなら、一回別れた方がいいのかもな」
「…っ。なんで、そんなこと言うの…」
わかっている。莉久はみんなが思うよりもずっと私のことを大切に想ってくれている。
だから、そんなに辛そうに笑うんだよね。
「俺だけがあれこれ言われるのは仕方のないことだけど、そのせいで陽菜乃は傷つくだろ?最近はぱったりなくなった嫌がらせだって、またいつ再開するかわからない。結局犯人だってまだ見つかってないし、四人ともギスギスしたままは嫌だろ?前みたいに戻るなら、俺たちが一回別れるのが一番いい方法なんだよ。もちろん、俺は別れても陽菜乃しか好きじゃねぇし、落ち着いてきたらもう一度付き合おう」

