100日後、キミのいない世界で生きていく

保健室の先生は会議中のようで留守にしていたため、戸棚から勝手に応急処置セットを持ってきた莉久がそっと私の手を取ってきた。


「悪い、俺がもっと早く気づいて助けてあげられてたら、怪我なんてさせなかったのに」

「そんな、莉久のせいじゃ…」

「嫌がらせは俺のせいだろ。そろそろ本気で犯人見つけないとな」


莉久は優しく消毒液をかけてくれたけど、染みるものは染みるため思わず痛さで顔をしかめる。


「ありがとう、莉久」


大きい絆創膏を貼って大袈裟なくらい包帯で手をぐるぐる巻きにしてきた莉久に、苦笑しながらお礼を伝える。


「朝からずっといなかったから、もう帰ったのかと思ってた。ずっと何してたの?」

「保健室で寝てた」


六時間近くもよく寝れるな…と呆れながら、思ったより元気そうな様子の莉久にホッとする。


「みんなともう一回ちゃんと話そうよ。このままギスギスしたままだとよくないでしょ?」

「…別に、いいよ。信じてくれだなんてどの口で言ってんだよって思う気持ちもわかるし、わかってもらおうなんて今更こっちも思わないから。陽菜乃が隣にいてくれるなら俺はそれでいい」

「わ…っ」