100日後、キミのいない世界で生きていく

「え、えっと…」

「あはは、そんな顔しないでよ。莉久が中学に入って初めて付き合った相手なだけで、一週間くらいで別れたし特別でもなんでもないよ。あたしみたいな女、莉久にとっては大勢のうちの一人だし。まあそれでも顔はタイプで、遊びってちゃんと割り切ってくれるとこが楽で今も勝手に付き纏ってるんだけどね。新しい彼女ができたことは知ってたけど、どうせ今回も同じなんだろうと思って手出しちゃった、ごめんね?」

「…困ります。もう莉久に手出さないでください。莉久は私の彼氏、なので」


言ってしまった…。

莉久がこれを聞いたら重い彼女だと思うかな…?

ううん、でも間違ったことは言っていない。

もしもまた先輩に手を出されたらと思うと不安だし、ここはガツンと現彼女である私が言わなくては…!


「あはは、可愛いなぁ。牽制のつもり?」

「う…ほ、本当のことだから…」


美人な環先輩が目の前まで近づいてきて、香水なのか甘い香りが漂ってきて不覚にもどきりとしてしまう。


「なんて、もう手出さないよー。あの莉久にも言われちゃったし」

「…え?」

「昨日メールで、“もう俺と関わらないで。陽菜乃のことが本気で好きだから、クズみたいなことはやめる”って連絡が来たの。返信しても既読つかないし、電話かけても繋がらないからブロックされたみたい」