100日後、キミのいない世界で生きていく

「怪我はない?」

「ふぁ、はい…」


やばい、めちゃくちゃ笑顔爽やかだしいい匂いもする…。


「本当にごめんね。じゃあ」


去っていくイケメンの後ろ姿にしばらくぽーと見惚れていると、後ろから頭をぺちっと叩かれた。


「なにしてんのこんなところで?」

「聞いてよ、美波!運命的な出会いしちゃった!少女漫画みたいだった!もうちょーーーときめいた!」


大興奮に美波に今起きた出来事をまくしたてると、はあと深くため息をつかれた。


「また?あんたさーこのまえもサッカー部の部長にたまたまボールが飛んできたのを庇ってもらっただけで、“運命的な恋に落ちた!”って言ってたじゃん」

「あれは彼女がいたからもういいの。それよりあの人だよ!ってあー!名前聞くの忘れた!みんなにも知らせないと!」


トイレに行きたかったことなんて忘れて、教室に戻り待っていた四人にも私の運命的な出会いを話すけど、返ってきた反応は美波のものと同じだった。


「陽菜乃ってさぁ、可愛いんだから夢見がちで惚れっぽいところ直した方がいいよぉ。だから中二になっても彼氏が一人もできないんじゃなーい?」