100日後、キミのいない世界で生きていく

「陽菜乃、俺のも写しといてー!」

「はあ!?」


たまたま教室の前を通った学年主任に見つかった莉久たちが、慌てて教室を出て逃げていく。


「本当、ガキなんだから…」

「若菜の周りにいる男子たちってアホで嫌になる」


呆れた様子の女子二人に、眞紘までもが苦笑いをしている。

私はこの騒がしい日常が何気に気に入っているのだ。





「ちょっと私トイレ」


給食を食べ終わり、私の机の周りに集まっていた五人に軽く断りを入れてから教室を出る。

今日のカレーはなかなかに美味しかったな、なんてぼんやり考えながら角を曲がると、ちょうど曲がってきた人とぶつかってしまった。


「わわ…っ」

「おっと、危ない。大丈夫?」


上履きの色が緑だから一個上の三年生であろう先輩が、ぶつかって倒れそうになった私を引き寄せてくれた。