「どうした、陽菜乃?血迷った?莉久を選ぶ選択肢しかないほど、そんなに追い込まれてたんだ…。ごめんね、全然気づいてあげられなくて」
「ちょ、待ってよ美波…!たしかに私も莉久と付き合うとか自分でもどうかしてるとは思うけど…」
「おい、そこの二人。聞こえてるぞ」
「でも、好きになっちゃったのも本当なんだ…。バカみたいだよね。ただの友達だったんだけど、でも一回認めちゃうともう戻れなくて…」
莉久がチャラ男でクズな男なんてことは、重々承知している。
それも含めて、ふとした時に優しい顔も見せる莉久に私は夢中になってしまったんだ。
「でもやっぱり心配だよ。莉久に陽菜乃を幸せにできるとは思えない」
「おいおい、これでも一応友達だよな?美波に心配されなくても、ちゃんと幸せにするって」
「さっきから莉久のスマホずっと鳴ってるけど、女の子からじゃないのぉ?」
「え、い、いや、これは…ただのアプリの通知!」
心配がないと言えば嘘になるけど、最初から叶う見込みがないと思っていた恋だ。
どんな形であれ好きな人と初めて付き合えたんだから、これから頑張って莉久を振り向かせるんだ!
◆
「あれからもう、十年か…」
「ちょ、待ってよ美波…!たしかに私も莉久と付き合うとか自分でもどうかしてるとは思うけど…」
「おい、そこの二人。聞こえてるぞ」
「でも、好きになっちゃったのも本当なんだ…。バカみたいだよね。ただの友達だったんだけど、でも一回認めちゃうともう戻れなくて…」
莉久がチャラ男でクズな男なんてことは、重々承知している。
それも含めて、ふとした時に優しい顔も見せる莉久に私は夢中になってしまったんだ。
「でもやっぱり心配だよ。莉久に陽菜乃を幸せにできるとは思えない」
「おいおい、これでも一応友達だよな?美波に心配されなくても、ちゃんと幸せにするって」
「さっきから莉久のスマホずっと鳴ってるけど、女の子からじゃないのぉ?」
「え、い、いや、これは…ただのアプリの通知!」
心配がないと言えば嘘になるけど、最初から叶う見込みがないと思っていた恋だ。
どんな形であれ好きな人と初めて付き合えたんだから、これから頑張って莉久を振り向かせるんだ!
◆
「あれからもう、十年か…」

