100日後、キミのいない世界で生きていく

「ありが…とう…」


なぜチャラ男がこんな薬をもっているのかは謎だったけど、今は一刻を争う非常事態だったため差し出された薬と水をありがたく頂戴する。


「…ごめん、もう大丈夫」


一時間目が始まってから十分ほどが経ち、薬の効果が効いてきたようで立ち上がれるくらいには回復した。

なぜかチャラ男は私が良くなるまでずっと隣で座って待ってくれていた。


「女子って大変だね。また薬がなくて困った時はいつでも俺のこと呼んでよ。遊び相手のお姉さんから、女の子が腹痛で困ってる時はこの薬をあげるんだよって教えてもらって、たくさん押し付けられたからさ」

「はあ…」


惚れっぽい私がどうしてこの時助けてくれた莉久のことを好きにならなかったのか、それは莉久が女の子慣れをしていることが嫌でもわかってしまったからだ。

ときめくとかよりも引く気持ちが勝っていた。

噂通りのどうしようもないチャラ男なんだとこの時に知ってしまった。


だからその後もいつメンとなって毎日一緒にいるようになったけど、一度も莉久のことを好きだと思ったことはなかった。






「なのに、どうしてよりによって…」