「…り、く…っ!」
頭で考えるよりも先に口が動いていた。
絞り出した声は届いたようで、応援席にいた莉久が素早くこっちに走ってくると私の腕を掴んで走り出した。
「一位取るぞ、陽菜乃!」
「…っ」
「一位は二連続で青団!いいスタートダッシュでしたねー」
切れた息を整えながら、莉久が「やったな」と笑いかけてきた。
「…なんで、来てくれたの?」
「なんでって、おまえが俺のこと呼んだからだろ?てかお題なんだったんだよ。イケメン?色気のある男子?」
ニヤニヤとからかうような笑いで私の手からお題の紙を取り上げた莉久に、ハッと我に返るがもう遅い。
「“好きな人”?」
「あ、あのそれは…」
どうしよう。あの時咄嗟に莉久の名前を呼んでしまったということは、やっぱり私は莉久のことが友達じゃなくて一人の男の子として好きなんだ…。
自分でもやっと今理解したのに、早速本人にバレるなんて…!
「…ああ、そういうこと。最近失恋したばっかだもんな。まだ好きな人いなくて困ってたから、とりあえず俺を連れてきただけだろ?」
頭で考えるよりも先に口が動いていた。
絞り出した声は届いたようで、応援席にいた莉久が素早くこっちに走ってくると私の腕を掴んで走り出した。
「一位取るぞ、陽菜乃!」
「…っ」
「一位は二連続で青団!いいスタートダッシュでしたねー」
切れた息を整えながら、莉久が「やったな」と笑いかけてきた。
「…なんで、来てくれたの?」
「なんでって、おまえが俺のこと呼んだからだろ?てかお題なんだったんだよ。イケメン?色気のある男子?」
ニヤニヤとからかうような笑いで私の手からお題の紙を取り上げた莉久に、ハッと我に返るがもう遅い。
「“好きな人”?」
「あ、あのそれは…」
どうしよう。あの時咄嗟に莉久の名前を呼んでしまったということは、やっぱり私は莉久のことが友達じゃなくて一人の男の子として好きなんだ…。
自分でもやっと今理解したのに、早速本人にバレるなんて…!
「…ああ、そういうこと。最近失恋したばっかだもんな。まだ好きな人いなくて困ってたから、とりあえず俺を連れてきただけだろ?」

