100日後、キミのいない世界で生きていく

あっという間に美波の番がきて、おそらく“他団のハチマキ”が出たのか、他クラスの子にハチマキを借りた美波が余裕の一位を取っていた。


「陽菜乃ー!頑張れー!」


一位の列に並んでいる美波がにっと笑いながら、スタートラインに立つ私に向かって拳を突き出してきた。

それに笑顔で応えながら、ピストルの音で走り出す。

よし、いい感じのスタートダッシュだと思いながら、一番端っこの紙をひっくり返す。


「…っ」


こんなお題もあるなんて、聞いていない…。


「陽菜乃ー!何出たんだよー!?」


応援席から聞こえてきた颯太の声にゆっくり振り返る。

…どうしよう。お題は“好きな人”だ。

彼女がいたこのまえのバスケ部の先輩以降、まだ好きな人ができていないのに…。


そうだ、好きな人ってことは友達でもいいのではないか。

美波か若菜を連れていけば…。