ふと、莉久と目が合う。
莉久の口が“が、ん、ば、れ”と動き、優しく微笑まれた。
「…っ」
「陽菜乃?」
「胸が、苦しい…」
「え、なに、大丈夫?」
なんで…なんでこんなに莉久の一挙一動にドキドキしちゃうの…?
「あ、始まるっぽい。大丈夫、陽菜乃?棄権する?」
並んでいた列が動き始め、美波が心配そうに胸を押さえる私の顔を覗き込んできた。
「…ううん、大丈夫。ごめん、なんでもない」
大丈夫、今までこんなことなかったんだから。
きっと何かの気の迷いだ。
ピストルの音と共に第一走者が走り出した。
私の順番は第五走者である美波のあとだ。
莉久の口が“が、ん、ば、れ”と動き、優しく微笑まれた。
「…っ」
「陽菜乃?」
「胸が、苦しい…」
「え、なに、大丈夫?」
なんで…なんでこんなに莉久の一挙一動にドキドキしちゃうの…?
「あ、始まるっぽい。大丈夫、陽菜乃?棄権する?」
並んでいた列が動き始め、美波が心配そうに胸を押さえる私の顔を覗き込んできた。
「…ううん、大丈夫。ごめん、なんでもない」
大丈夫、今までこんなことなかったんだから。
きっと何かの気の迷いだ。
ピストルの音と共に第一走者が走り出した。
私の順番は第五走者である美波のあとだ。

