100日後、キミのいない世界で生きていく

なんなら手を怪我した時よりも危ない未来になってしまった。

無理矢理未来を変えようとしても、結末は変えられないどころか最悪、もっとひどい未来になってしまうんだと私は気づいた。

だからと言ってこれ以上五人が死ぬ未来を待つだけなんて、したくない。

絶対に未来は私が変える。何がなんでも。


「…そうか」


そして私は気づいた。

“通り魔に刺されて死人が出る”

もしもそのような結末なんだとしたら、五人を助けることができるのではないかと考えついた。





「私はみんなを助けたかった。たとえ、自分が死ぬとしても、みんなが生きてくれればそれでよかったから」

「…陽菜乃は、“自分が死ぬ”ことで“私たちが死ぬ”未来を変えた…?何それ。そんなのって…あんまりだよ」


四人は黙ったまま画面の陽菜乃から目を逸らした。


その顔は絶望に満ちていた。

当たり前だ。陽菜乃は私たちを守って、死んでしまったんだから。