100日後、キミのいない世界で生きていく

「陽菜乃がお昼ご飯いつもの半分くらいしか食べてなかったくせに、なんでもないわけないでしょ。莉久となんかあったんじゃないの?ずっと莉久のこと避けてるよね?」

「うっ…」


美波は鋭い。よく人のことを見ている証拠だ。


「莉久のこと呼びに行った時に、教室で女の先輩の胸揉んでキスしようとしてた…。だから莉久に、そんなんだから運命の人に出会えないんだよって怒ったら、私には言われたくないって言われちゃって…。こっちは真剣なのに笑いながらだよ?私みたいな無謀な恋よりも手に入りやすい手頃な恋愛でいいって言うの。そんなの恋愛じゃないよ…」

「はあ…莉久のやつ、そんなこと言ったわけ?真面目に相手してたら陽菜乃が疲れるだけだよ」

「そう、だよね…」

「あ、二人ともここにいたのぉー」


ひょっこりと顔を覗かせてきた若菜の後ろには莉久と眞紘もいて、気まずくて目を逸らす。


「次は颯太が出る部活対抗リレーだからみんなで応援しようって言ったでしょー?」

「颯太のことだから俺らの応援がなくたって一位取るだろ」


美波の隣に若菜が座り、後ろに莉久と眞紘が座って少し安心する。

今は莉久の顔なんて見たくない。


「陽菜乃、あんたが友達思いなのは誰よりも知ってるよ。そんなとこが好きだから。だからあんたは何にも気にしないで真っ直ぐにぶつかりなよ。当たって砕けた時は私が慰めてあげるからさ」