100日後、キミのいない世界で生きていく

生きている理由も何もわからなくなり、いっそのことどこか遠くへ行ってしまいたかった。

そんな思いで電車に乗った。行き先も決めずにただひたすら揺られながら、現実から逃げるように遠くへ向かっていた。


「…みんなとずっと一緒にいたかったのに。戻りたい。みんながいたあの頃に…戻りたい」


そう強く願った時だった。


「まもなくー、終点。終点です。①過去に戻れるのは人生で一度だけ。②期限は100日間限定。100日後には現代に戻ってきてしまう。③基本的に過去の改変はできない。決まっている過去の結末は変えられない。以上の三点を理解した上で、あなたが望む過去の世界にご案内いたします。お忘れ物がないようご注意ください」

「…え？」


ガクンっと車両が揺れたかと思うと、体が投げ出され意識を失っていた。


…そして気がつくと、私は見慣れた教室で自分の席に座っていた。

目の前では、死んだはずの五人が楽しそうに話しながら笑っている。


「…夢？」

「は？陽菜乃、何言ってんの？」

「なんだー？寝ぼけてんのか？」

「はは、ありえる。陽菜乃ならどこでも寝れそうだしなー」