100日後、キミのいない世界で生きていく

そっと美波を揺すると、ぴくりと美波の瞼が動き、薄くその目が開かれた。


「美波!」

「ひ、なの…っ。もう、遅いよバカ…」


ふわっと笑った美波が、そっと手を伸ばしてきて私の頬を優しく撫でてきた。


「美波…?」

「大好きだよ…。ずっと、一緒にいれなくて…ごめんね…」


ふっと目を閉じた美波の手が落ちて、頬に感じていた温もりも消えた。

そして、美波はもう二度と起きてはくれなかった。


「美波!あああ…っ、美波ー!」


美波たちは、あの日私を橋の上で待っていたせいで、通り魔に刺されて死んだ。

私が…五人を殺してしまった。未来を壊してしまった。


「…死にたい」


五人がいなくなった世界はなんの色もしていなかった。