100日後、キミのいない世界で生きていく

夏祭り当日。待ち合わせの六時より三十分早い五時半に橋の上で莉久と待ち合わせていた。


「莉久なら、私の話を理解してくれると思って呼んだの。一緒に未来を変えてもらうために」

「未来…?」


莉久に十年後の陽菜乃のいない世界の話をする。

これから起きること、そのせいで私たちは再びバラバラになってしまうこと。


莉久は笑うことなく私の話を最後まで真剣に聞いてくれた。


「…じゃあおまえは、十年後からきた未来の美波なんだな?陽菜乃が死ぬ未来を変えに」

「そう。この世界に来てから何度も過去を変えてみようとしたけど、私が変えられたのはほんの些細なことばかり。“結末”はどうしても変えられなかった」

「そうか…。俺が母さんに会いに過去に戻った時も、そんな感じだった。何も変えられずに同じ100日間をただ過ごしただけ」

「だからって、諦めるわけにはいかないの。どうにかして未来を変えたい」


莉久が「行こう」と言って歩き出した。


「ここにいたって意味がねぇよ。陽菜乃の家に迎えにいって、その事件が起きる時間まで陽菜乃のそばで守ろう。たとえ刺し違えられたって、俺が陽菜乃を守る」

「…うん」