100日後、キミのいない世界で生きていく

「…陽菜乃、あの先輩は…」

「ってあー!名前聞くの忘れた!みんなにも知らせないと!」


陽菜乃は私の話なんてまるで聞かず、あっという間に教室に走っていってしまった。

今日が恋に落ちた日なら失恋もする日だ。陽菜乃が傷ついて泣いてしまう日。


だけどそんなこと、言えるわけがない。どう言ったって陽菜乃が傷つく未来はもう変わらない。

それなら、せめて陽菜乃が莉久のことを好きになるまで先輩に彼女がいるということがバレないようにすれば傷つかなくてすむ…?


「陽菜乃、窓側は私がやっとくから廊下側掃いてきて」

「え?うん、ありがと」


きょとんと不思議そうにしている陽菜乃を、廊下側を掃いていた颯太の方に強引に押し出す。

たしか陽菜乃は彼女と手を繋いで校門を出ていく先輩の姿を見つけて、失恋がわかったのだ。

それなら窓側には近づけさせなければいい。


「う、うわーん!あの女は誰ー!?」


まだ見えない先輩の姿にそわそわとしながら窓側を確認していると、突然陽菜乃の叫び声が聞こえてきた。


「先輩が女の子と手繋ぎながら廊下歩いてる!」