100日後、キミのいない世界で生きていく

莉久がふっと優しい顔で吹き出した。

前まではこんな顔しなかったのに。

きっと莉久の頭の中にはいつも陽菜乃がいる。だから、こんなにも柔らかく笑うんだ。


「で、陽菜乃はどこなのぉ?来いって言ったくせに待たせるなんて、ありえないんですけどー」


すっかりいつもの調子に戻った若菜に思わず笑いながら、もう一度スマホを確認する。

すると、ちょうど陽菜乃からグループチャットの方にメッセージが届いた。


“ごめん!昼寝してたらこんな時間になってた!今から向かう!”


メッセージを見終わったみんなで顔を見合わせ、一斉に吹き出す。


きっと緊張して昨日の夜眠れなかったんだろうな。

こんなところまでもが陽菜乃らしい。


「ねえ、せっかくだから陽菜乃のこと迎えに行こうか。きっと陽菜乃、泣いて喜ぶよ」

「いいな、それ」

「行くかー」


私の提案にみんなは笑顔で頷いた。