離婚してから始まる恋~念願かなって離婚したら、元夫が私を追いかけて辺境までやってきました~

ドラゴニア帝国軍は
ノアル・ヴェイルの森を土足で踏み荒らしていた。
この森のいたるところに、
目に見えないだけで様々な精霊が住んでいる。
棲家を荒らされたニンフたちは怒り狂い、
エルフなどその他の妖精たちも逃げ惑っていた。

妖精の姿を初めて目にしたユリアナは
興奮しながら叫ぶ。
「まぁ、なんて珍妙な生き物なの。できる限り捕らえて国に持ち帰りなさい。私のペットにするわ。」
ユリアナの命令でドラゴニアの兵士たちが
妖精狩りを始める。
エルフの様な知能の高い妖精や
ピクシーなどの翼を持った妖精は
人間の手に捕まることなく逃げおおせたが、
ブラウニーの様な人間が好きなお人好しの妖精は
警戒心するどころか自分から近づいてしまうので
格好の餌食だった。

「なんだかよく分からないけど、森全体がざわざわしているわ。」
エレオノールはつぶやく。
子供の頃、
ミレイナや兄ガブリエルと一緒に遊んだこの森は
エレオノールにとっても大切で慣れ親しんだ場所だ。
ピクシー妖精たちはみんな友達で、
エレオノールが来るとどこからともなくひょっこり現れて
一緒に踊ろうと誘ってくれる。
いつも行かない森の奥深くに行ったときは
レプラコーンに騙されて遭難しかけたこともあった。
その時に助けてくれたのがオルメリアだった。
(みんな無事でいて。)
心の中で何度もそう祈りながら、
猛スピードで移動するオルメリアから
振り落とされないように、
オルメリアの背中に生えた樹に
必死にしがみつくのだった。