離婚してから始まる恋～念願かなって離婚したら、元夫が私を追いかけて辺境までやってきました～

そんな時だった。
「た、助けてください！緊急事態です。」
そう言って飛び込んできたのは
ヘルミスタ国の若い魔法使い。
顔には焦燥を浮かべている。

「どうしたの、リオネル？」
ミレイナが手を止めて呼びかける。
「今日未明、ドラゴニア帝国軍が攻め込んできました。ノアル・ヴェイルの森が荒らされています！」
「なんですって！！」
ミレイナと同時にエレオノールも立ち上がる。
「今、国はどうなっているの？」
「危機を察した大賢者様が戻ってきてくださり、我々でなんとか凌いでいるのですが、何しろ戦力に差があり過ぎて。奴らは最新の破壊兵器を投入してきています。早く食い止めなければ我らの神聖な森が。」
「そうね、それは一大事だわ。私もすぐに戻ります。」
ミレイナは部下の魔女たちにテキパキと指示を出し、
出立する準備を始めた。

「ねぇ、ミレイナ。私も行くわ。連れて行って。」
エレオノールが声をかける。
「気持ちはありがたいけど、あなたは連れていけないわ。あなたは戦闘訓練を受けたわけではないし。ごめんなさい。こんな言い方しちゃ悪いけど、あなたに何ができるの？」
「私は戦いには参加できないけど、妖精や魔法生物たちを助けたいの。彼らを避難させなくちゃ。」