離婚してから始まる恋~念願かなって離婚したら、元夫が私を追いかけて辺境までやってきました~

「作戦変更だ。このままアルドヴァールと真面目に戦っていても埒が明かない。隊を2つに分けて、半分はそのままドレシアに、もう半分はヘルミスタへ迎え。ヘルミスタへ向かう隊の大将はお前が務めろ。」
マルヴァリスはライガンにそう告げた。
「お前らの任務は一匹でも多くの聖獣や妖精どもを捕らえることだ。大事な交渉材料にもなるし、使えそうなやつは俺の奴隷にしてやっても良い。あとは闇オークションに出せば丸儲けだな。」
マルヴァリスの計画にライガンは顔を歪める。
妖精はともかく聖獣は普通の動物とは違う。
身体も大きいし、魔力を持つものもいる。
しかも聖獣の中には神に仕える種族もいて、
その種族に手を出せば
神の怒りに触れてしまうだろう。

ライガンはマルヴァリスと違い、
神の存在自体は信じている。
腐ってもフィオルガルデ連邦で育ったのだ。
ライガンがフィオルガルデ連邦を裏切ったのは
ユルドレイム国にさえ何もしなければ、
神が人間たちの争いに関与することはないと
思いこんでいたからだ。
だから少しでも神の怒りに触れることは避けたい。
(ライガンの配慮虚しく、もうとっくに神の怒りに触れてしまっているのだが。)
ここはマルヴァリスに従順に従うふりをして、
ドラゴニアが要注意な種族に手を出さないよう
自分がコントロールしよう、
そう決意するライガンであった。