離婚してから始まる恋~念願かなって離婚したら、元夫が私を追いかけて辺境までやってきました~

「実はもう一つ報告がありまして・・・」
胸ぐらを掴まれ、
失神しそうになっていた兵士が
なんとか呼吸を調えて声を絞り出す。
「潜水艇とは別に軍艦が到着しており、その軍艦を率いていたのが」

「私ですわ、お兄様。」
「ユリアナっ!!」
マルヴァリスが思わず驚きの声をあげる。
それもそのはず、
本国から軍艦を率いてやって来たのは
マルヴァリスの実妹で
ドラゴニア帝国皇帝の第三皇女ユリアナだったのだから。
マルヴァリスには何人か弟妹がいるが、
このユリアナが唯一同じ母親(皇后)から生まれているため
マルヴァリスはユリアナを殊の外可愛かっていた。
「お兄様がなかなか帰ってこられないので待ちくたびれましたわ。私、早く妖精とやらに会ってみたいの。」
「すまない、ユリアナ。まるで使えない奴らばかりで、なかなか計画が進まないのだよ。」

「ユリアナ様!!」
兄妹の会話に割って入った勇者は
ライガンである。
突然話しかけられたユリアナは氷の眼差しで
ライガンを一瞥する。
「お兄様、誰ですの?この男。」
「ドレシア公国の公太子だ。」
「あら、ちょうどいいわ。あなた、私を妖精のもとに案内なさい。詳しいんでしょう?」