離婚してから始まる恋～念願かなって離婚したら、元夫が私を追いかけて辺境までやってきました～

「ガビ様、ご心配いただきありがとうございます。でも我々にできることはこれぐらいですので、もう少し頑張ります。」
ミレイナは力なく微笑む。
「ガブリエルの言う通り、ミレイナちゃん頑張りすぎだよ。あーエイルちゃんが来てくれたら良いのにねぇ。」
「私としましても、エイル様に来ていただければ百人力ですが・・・神様は神出鬼没ですからね。」
「そう！そうなのよ～。みんなプライド高いからさ、お願いしたら来てくれるとは限らないの。この前のステュクスちゃんは例外だけど。」
「ヘルモース様は最高位の神様なのですから、貴方が命じれば従うのでは？」
「甘いね、ガブリエル君。神様の世界も複雑で、単純な上下関係じゃないんだよ。僕としてはエイルちゃん探すより、アテナを連れてくる方が簡単だけど。妹だし。」
「ア、ア、ア、アテナ様っ!?」
あまりのビックネームに一時騒然となる。
アテナとは誰もが知る戦いの女神の名前だ。
「それはそれは、アテナ様のご加護は我らにとってこの上ないものだが。いやはや畏れ多くて。」
アルドヴァール大公もしどろもどろだ。
「そんなたじろがないでよ～軽いジョークだったのに。それに僕がいちいち言わなくても、彼女はこの戦いをそれとなーく見守っているはずだよ。絶体絶命の時は戦車を率いてやってくるさ。」
ヘルモースはそこまで本気にされると思っていなかったようで、
慌てて弁明する。
アルドヴァール大公以下、一同がホッとしたのは言うまでもない。