離婚してから始まる恋~念願かなって離婚したら、元夫が私を追いかけて辺境までやってきました~

時期に太陽が落ち、
見張りの部隊を残して本体は引き上げる。
次の太陽が昇る前に、
新たな作戦を立てて体制を整えなければならない。
フィオルガルデ連邦側の本陣には、
同盟国側の代表が顔をそろえていた。

「戦況は一進一退を繰り返しています。膠着状態です。」
ガブリエルが手短に報告する。
「負傷者たちは魔女たちが治療・看護にあたっている。じゃが・・・」
「何か気になることが?」
言いよどむエルミラスにエドリックが声をかける。
「ミレイナが気になることを言っておって。一部の兵士が侵されている毒がなかなか解毒できんと。」
「それは・・・ドラゴニア帝国で極秘裏に開発されているという新型の毒物の可能性があります。」
「新型?」
「我が国の諜報員から、ドラゴニア帝国が怪しげな化学実験を行っているとの情報が上がって来ています。」
「なるほど。人工的につくられた毒だと我々の魔法で解毒するのは難しいのぉ。」
「では毒にやられた兵士たちは?」
「別のアプローチで治療を試みます。毒を体内で浄化するのではなく、毒そのものを体外に放出させましょう。」
エルミラスの後ろに控えていたミレイナが答える。
「ミレイナ、無理しないで。君は少し休んだ方が良い。」
ガブリエルがそういうのも無理はない。
おそらく医療部隊は不眠不休で治療にあたっているのだろう。
顔には疲労の色がにじみ出ていた。