離婚してから始まる恋~念願かなって離婚したら、元夫が私を追いかけて辺境までやってきました~

「父上、何やら歯切れが悪いですね。我々には世界最強の帝国ドラゴニアの皇太子がついているのですよ。何を恐れることがありますか。」
「ドラゴニア帝国が味方なのは心強いが、、、お前は誰を敵に回すか、きちんと理解しているんだろうな。」
ドレシア公は不信感でいっぱいの目を
息子に向ける。

「アルドヴァール以外はまともな人間が住んでいるのかどうかも疑わしい未開の国ではないですか。ドラゴニアの軍事力をもってすれば、魔法使いも巨人もドラゴンも恐るるに足りません。神族は人間界とは絶縁しているそうですし。」
「馬鹿者っ!お前は甘く見すぎだ。ふだん大人しい彼らも、自分たちの安寧が脅かされるとなれば、反撃してくるに決まっている。神や魔族の怒りに触れたら何をされるか。」

予想外に父の反対に遭い、
ライガンは態度を硬化させる。
今さら計画を中止にさせることはできない。
もう走り出してしまっているのだ。
「父上がそんなに臆病者だとは思いませんでした。ですが、私はあなたとは違う。」
「おいっ、ライガンっ!」
呼び止める父の声を振り切り、
ライガンは父の書斎をあとにした。