離婚してから始まる恋~念願かなって離婚したら、元夫が私を追いかけて辺境までやってきました~

「助けていただいてありがとうございます、大賢者エルミラス様。それからレイザークも。」
エレオノールを助けに来たのは、
精霊と魔法使いの国ヘルミスタ国の
大賢者エルミラスと、
ドラゴン使いの国スカイフォルド王国の
ドラゴンマスターであるレイザークだ。

「アルドヴァール大公から知らせを受けたからの。フィオルガルデ連邦の危機じゃ、構わんよ。」
エルミラス様の話では、
私が連れ去られたことを知った父が
ヘルミスタとスカイフォルドに助けを求め、
この二人が派遣されたとのこと。
季節外れの嵐は
エルミラス様の魔法で作り出したもので、
エルミラス様がこの場を去れば
じきに止むそうだ。

「これからどちらへ?」
「アルドヴァール大公宮殿に行くよ。緊急会議を開かないと行けないから、みんなお待ちかねだ。」
この疑問にはレイザークが答えてくれた。
彼は国一番のドラゴンマスターであると同時に、
スカイフォルド王国の第2王子でもある。
ゆえにエレオノールや兄のガブリエルとは幼馴染で
子どもの頃からの付き合いだ。

「欲にまみれた人間どもに、このフィオルガルデを渡すわけにはいくまいて。」
大賢者エルミラスは誰に言うわけでもなく、
そう呟いた。