離婚してから始まる恋~念願かなって離婚したら、元夫が私を追いかけて辺境までやってきました~

そんなエドリックなので、
エレオノールとの間にも何も起ころうはずがない。

控えめな化粧に
ほのかに石鹸の匂いがし、
王妃としては少々地味なものの、
華美すぎない清潔感ある服装は
好ましく思った。
しかしそれは
あくまでビジネスパートナーとしてであり、
恋愛対象としてではない。
だからこそ、
エレオノールから離婚を切り出された時も
驚きはしたものの、
国際情勢的に問題ないだろうと判断して
了承したのだった。

離れていくことを許可したのは自分なのに、
離婚が決まってからというものの
何故かエレオノールから目が離せなくなる。
エレオノールが視界に入ると、
自然とその姿を追ってしまう。
そして極めつけは
ノルヴァンド国王夫妻を招いた晩餐会だ。

目の前に現れたエレオノールに、
雷で撃たれたような衝撃を受けた。
背の高さも相まって堂々とした佇まいは、
自立した女性の美しさを際立たせている。
いつもより大胆なドレスは
決して下品ではなく
彼女の美貌に上品な色気を添えていた。
一言でいうと、
エドリックの理想そのものだったというわけだ。

エレオノールの本気に
惚れてしまったエドリックは
なんとか前言撤回出来ないかと
知恵を絞るが、
覆水盆に返らず。
取り決め通りに
エレオノールは故郷へと帰ってしまった。